
フジワラ
@hujiwara2
2026年1月19日

心臓を貫かれて
マイケル・ギルモア
読み終わった
語られる主軸の人物ではなく、その周囲の通りすがりというくらい関係性が薄い人ですら暴力に手を染めてしまう件があまりに救いがなく読むのがしんどかった。
「地獄とは他人のことだ」という言葉があるが(寺山修司だったような気がする)自分以外と他人が磁力のように互いの存在を認識するだけで暴力が伝染するような逃れようのなさというか。
地獄とは他人と自分が居ることだといいかえてもいいような気持ちにすらなる。
意識しない悪意を踏んで生きてきてよくこの作者は殺人に手を染めずにすんだなと感嘆すらしてしまう。
「別れを告げた朝、彼はそのまま他の亡霊たちと一緒に虚空へ歩いていってしまったみたいだった」
普通ならなんて寂しいとか不穏なと思うのにこの本のなかではとても心安らぐ穏やかに感じた描写だった。




