
いふ
@if_______any
2026年1月21日
架空犯
東野圭吾
読み終わった
透明な螺旋は2021年だから2、3年後の作だけど、血の繋がりという面では似ている。
以下ネタバレ
警察官 五代努は都議夫妻不審死放火事件の調査にあたり、バディだった山尾警部補を逮捕する。山尾は捜査中から何かを隠しているように見え、被害者のタブレットを起動させたり、夫妻の娘夫婦が振り込んだ3000万円を闇バイトを使って引き出したりした。
被害者は東堂康幸・江利子夫妻。妻は風呂場で洗濯紐で首を吊っており、夫も綿の紐で首を吊って火事で焼けていた。無理心中に見せかけていたが、計画性のない感じが不可解であり、山尾は高校時代に妻と同級生、夫は山岳部の顧問であるという繋がりはあったが、動機を含めた供述は雲をつかむようなものだった。
五代は調査するうちに、本当の動機あるいは別の犯人を見つけなければならないと確信する。江利子の近辺を調べていると、かつて付き合っていた同級生永間の自殺、直後に会っていた山尾、永間が持っていた血の付いたナイフ、康幸の怪我が繋がってくる。
山尾は江利子と康幸の交際を目撃し、江利子に口止めをされていたのだった。江利子と別れた後、彼女を忘れられない永間にそのことを告げると、永間は康幸を襲い、自殺してしまう。康幸と山尾は協力関係となり、時間が経った後、山尾は康幸から江利子が気に掛けている女性・今西美咲の身辺調査を依頼される。実は彼女は、おそらく山尾と江利子の間で口止めが行われたときにできた子供なのだった。
美咲は非行に手を染める子供・真奈美の教育に悩み、それを指摘した江利子を殺してしまう。美咲を自分の子供だと山尾に思わされていた康幸は、美咲を庇って自殺し、さらに将来的に出馬させたい娘の香織のイメージを考え、無理心中ではなく他殺に見せかけようと江利子の遺体を偽装、山尾に連絡をした。山尾はその遺志を受け継ぎ、今西にいつも通り過ごせと指示し、罪を被った。
東野圭吾が眠らせていたというトリックは、片思いの連鎖。片思いの方が幸せなこともある、というラストシーンの永間の母の言葉に説得力があった。