
中原メロス
@56565656t
2026年1月22日

10:04
ベン・ラーナー,
木原善彦
読み終わった
良い読後感なのだが自分の理解力の低さゆえに掴みきれない部分も多く残った。特に時間(過去・現在・未来)について描かれていることがなんとなく分かるようで、分からない。好きな文章と併せて理解できなかった(けど理解したい)文章にもたくさん線を引っ張っておいたので、いつか再読したい。
訳者あとがきにもあったけど、様々なテーマや語句が作中にちりばめられていて、それらの周到な反復のリズム感がとても良かった。
好きなシーンも結構ある。生協の労働中でのヌールとの会話、全損美術教会、ドラッグと研修生の介抱、ハリケーンが来るときの恒例行事…などなど。
トピーカ・スクールも気になります。
P.13
美術館でその話題を切り出したのは、ひょっとするとそういう場所だと、互いに向き合うのではなく、目の前のキャンバスを一緒に見るせいで散歩のときみたいに視線が平行になるーーそれは最も親密なやりとりをするときの必要条件だーー
目の前にある文字通りの風景(ビュー)を共同構築しながら、二人で見方(ビュー)を話し合うのだ。
P.72
ある一日の出来事を材料にしてどれだけたくさんの異なる日々を作り上げることができるかを痛感し、決定論よりも可能性を、虚構(フィクション)というユートピアのきらめきを感じた。
P.140
最も不穏で辛い形で自分のアイデンティティーを失うことの中にも、いかに屈折したものとはいえ、来たるべき世界のきらめきが含まれている、と。すべては今と変わらない、ただほんの少し違うだけで。というのも現実から見て、起こったけれども起こらなかった出来事を含め、過去はいつでも引用可能だからだ。

