
あるる
@aru_booklog
2026年1月25日

遁走状態 (Shinchosha CREST BOOKS)
ブライアン・エヴンソン
読み終わった
自分がいつか狂うかもしれないという根源的な恐怖を炙り出される短編集でした。
出てくる登場人物たちは、何かしらの影響で不安定だったり、狂いかけていたりするように見えて、その中でもがきながら状況を打破しようとしてまた深みにはまっていくような仄暗く、その人の経験している苦しみがこちらに生々しく伝わってきて、なかなか今までにない読書体験でした。ホラーとかサスペンスのような刺激ではなく、もっと自分が持っている潜在的な恐怖がじわじわ表出してくる感覚があります。
ある時、何らかの引き金を引いて自分も狂うのでは...?という怖さを読みながら再認識した感じ。登場人物たちが、自分はどこに立っていて、何のために何をするのか、そして自分とはどんな存在なのか理解しようと取る行動が、読者から見ると滑稽なものなんだけど、読んでても笑えず、ただ焦燥感が胸に迫り来る。
同作者の他の作品、怖いけど読みたいなぁ。こういう作品にたまたま本屋さんで出会うことがあるから読書をやめられない。






