
ばやし
@kwhrbys_sk
2026年1月26日
熱源
川越宗一
読み終わった
感想
一方的に文明の変化を押しつけられ、故郷を奪われた北海道育ちのアイヌと国を失ったポーランド人が、国の狭間で揺れる樺太(サハリン)にて邂逅する。
19世紀の終わり頃、国が不安定に揺れ動く時代において、人種や民族を優劣と混同して、理不尽に淘汰しようとする勢力は実在した。
それでも、屈することのない意思に火を灯して、熱を帯びた志で対抗する彼らの軌跡が、雪上の轍のように物語には残っている。
凍てつくような島で迸る2人の衝動が、弱肉強食の摂理で動く世界に異を唱える。湧き上がる熱の源を肌で感じた物語だった。
