しろくま
@shirokuma1909
2026年1月27日

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借りてきた
ホロコースト後のユダヤ人DP(displaced person)がなぜ元の居住地に戻らずにヨーロッパを去ったのか、彼らはどこに行きたかったのか、彼らの再定住先問題に対して、シオニストや国際社会はどのように対応したのか一一などという問いに答えようとする本。
ホロコースト研究がドイツ史研究者によって主に担われ、パレスチナ近現代史研究が中東の国際関係論の専門家によって主に担われてきた日本の現状のなかで、その研究上の隙間を埋めようとしている。
DPの詳細な定義(コラム1で言及)やポーランドのキェルツェで起きたポグロム(もとは打ち壊しを意味するロシア語。現在ではとくにユダヤ人にたいする集団的暴力や略奪、虐殺を意味する歴史用語)、戦後のルーマニアにおけるユダヤ人の困窮、移民法を改正せずにアメリカのトルーマン大統領がとった行政的措置も十分な人数のユダヤ人DPを受け入れるものではなかったこと、エクソダス号事件などをうまく利用してパレスチナのシオニストが世界に向けてイギリス非難のプロパガンダを張ったこと、などこれまでに知らなかったことが多かった。
短いけれど、とてもよい本だと思う。