借りたその日に読んだ。もちろん子ども向けの平易かつまったりした優しい翻訳になってるから、スルスル読めた。ただ、読んでて時折目を閉じて天井を見上げて「ふぅーーー」と固まってしまうことが何度かあった。それは本の内容がどうこうというわけではなく、児童文学に触れたのが久々だったからだと思う。なんだか、とても遠いところに来ちゃったなというか、もう取り返しのつかないところに来てしまったな、というか…。この作品が与えてくれようとしているエネルギーがうまく掴み取れない。それは、単に僕が大人になったからというわけではないだろう。自分からしっかり迎えに行けば届くはずなのだ。迎えに行く体力がない、向き合う元気がない。いや、合わせる顔がない。もう一度生き直せたらいいのに。