海街の猫 "人間" 2025年3月11日

人間
人間
又吉直樹
私にとって図星をつかれるような作品だった。 弱さ・プライド・嫉妬・傲慢さ・空虚さのような、人間のじとっとした所が上手く書かれていた。 記憶というものは自分がそう思いたいという願いでしかないのかもしれない。人間は弱いから都合の良い風に記憶を作り替えて、知らず知らずのうちに自分を守っている。 私自身も覚えがあるし、恐らく人間であれば多かれ少なかれ覚えがあるはずの内容だった。 snsの普及に伴って、大衆の、数の暴力が顕著に出始めているとは感じていた。画面越しに誰かを殺したその手で、自分の子供の頭を撫でているのを想像しただけで頭がおかしくなりそう。みんな麻痺してる。みんな正義じゃない。みんな病気だよ。
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