雨垂
@amadare__
2026年2月12日
神曲 地獄篇
ダンテ,
平川祐弘
読み始めた
読み終わった
こいつ、自分で自分を六大詩人の末席に加え入れてます!!!
そんなことしていいんだ……。
余談だけど、この本を買った書店には地獄篇しか物理本の在庫が無かった。地獄下りだけしてろってか。
読み終わった 以下感想
まず翻訳が素晴らしい。他の訳を読んでみないことには相対評価は言えないが、読みやすく理解しやすいという点で絶対的に素晴らしいことは分かる。
歌ごとに最初に現代語で粗筋が書いてあることでこれからの流れを予習できるし、最後に当時やダンテの価値観やダンテ批評がまとまっているのが良い。
あまりにも基本的すぎる部分には訳注は無かったが(キリストを裏切ったユダの詳細など)、『神曲』を読もうとするやつなんて雑学程度にはキリスト教やギリシャ神話の知識があるに決まってるので、そこは問題にはならないだろう。
そして何よりダンテの詩才が素晴らしい。地獄の元ネタ自体はギリシャ神話や聖書から取ってきてるのだが、それをよくここまで膨らませられるな。地獄の描写も情感的な上に精緻で、読者に地獄の造形とダンテの心境が非常によく伝わってくる(訳者も見事だ)。
伝説的詩人であるウェルギリウスが案内してくれるのも、傲慢すぎるけどよく出来ていて便利な設定だ。基本的に傲慢すぎるだろと感じる設定と描写だらけだが、実際それぐらい天才なんだろうなと思うと腹が立つ。
エンタメ的にも面白い。ダンテの知り合いとかも出てくるけど、歴史的有名人が地獄でシバかれてるの、面白すぎる。人間のサディズムを程よく刺激させてくれる。
しかし『神曲』で描かれる地獄は、嫌っちゃ嫌なんだけど、めちゃくちゃグロくて悪意があって恐ろしいよ〜とは思わないので、ダンテはサディスト的思考をあまり持ってないんだろうな。貴志祐介とか湊かなえが描いた地獄とか……うわっ、想像しただけで嫌な気持ちになった。
