雨垂
@amadare__
好きな小説『ファイト・クラブ』『コンビニ人間』
- 2026年5月30日
散歩が楽しくなる 身近な植物図鑑相澤悦子気になる - 2026年5月30日
ひつじ探偵団〔新版〕レオニー・スヴァン,小津薫気になる - 2026年5月25日
一次元の挿し木松下龍之介読み終わったミステリかと思ったらライトなSFだったし、かと思えば最終的には軽めのスリラー・サスペンスだった。 儚げな雰囲気っぽいと思っていたが、めちゃくちゃ人が死ぬ(しかも雑に)。 ループクンド湖での調査風景から一転して、主人公(七瀬悠)の義妹であり現在行方不明中の七瀬紫陽の葬式から物語は始まるが、あらかたの謎は中盤あたりで解決して、終盤は殺人鬼とのバトル展開だ。 味方側である主人公たちには美しさや英雄性や賢さがくっついてくるのに対し、敵(ほぼ牛尾のこと)には醜さや怪物性や狂気ばかりが付与されている対比がちょっとグロテスク。悠(本文内で何度も顔の良いことが描写される)は紫陽の見た目に結構惚れていて「可愛くなくなったら紫陽じゃない」(要約)みたいなことを言ってしまうシーンからして、ある程度は計算されたグロさなのだと思う、多分。 「二百年前の人骨のDNAが行方不明の義妹のDNAと一致していた」という事実は重厚なSF作品の雰囲気を感じさせるが、そこは割とあっさり片付けられるというか、この作品は全体的にこじんまりとしていて、登場人物は皆ある程度想像通りの人生へと落ち着いていく。 牛尾は人を殺して回っていた時は紳士的で余裕のあるミステリアスなサイコキラーという感じだったのに、最終バトルでは叫びながら斧を振り回す怪物みたいになってしまったのは勿体ないと思う(でも最初から殺し方がワンパターンな上に、拷問描写が特に無いから、まぁこうなるか……)。 - 2026年5月15日
- 2026年5月5日
イエスの生涯遠藤周作読み終わった他人によるイエス・キリストおよびキリスト教の解釈が知りたくて読み始めた。 遠藤周作はかなり現実的に新約聖書を読んでいて、聖書内で描写されているキリストの奇跡などを、原始キリスト教団による信仰告白ではないかと見ており、正確な事実ではないと指摘している。だが同時に、事実と真実は別物であるとも区分けしており、実際に奇跡が起きたかどうかといった俗な話の真偽が重要なのではなく、人々がそのようなイエス像を求めたという真実が重要なのだという。 非キリスト者からすれば屁理屈に聞こえるかもしれないが、キリスト者からすればキリストの教えこそが最も重要なのであり、奇跡や処女受胎などといった超常的な現象については、どうでもいいとは言わないまでも本質ではないというのは確かだ。 ただ、多くの聖書研究を参照し、現実的な視点で読み解いてきた彼でさえ、イエスの処刑後の熱狂――師を裏切って逃げたはずの弟子達が死をも恐れぬ熱心な伝道者となった謎についてはやはり分からないままらしい。裏切りの罪悪感や処刑中のイエスの言葉について言及されてはいるが、しかしそれだけではやはり説明がつかないとも語られている。パウロの回心も含め、弟子たちに何か尋常ならざる衝撃的な出来事があったのか……そしてそれは「復活」という超常的な出来事を歴史的事実として肯定することでしか筋が通らないのだろうか……。 前段で超常的な出来事は本質ではないと言っておきながらも、やっぱり処刑後の弟子たちの様変わりやパウロの回心については不可解すぎて気になってしまうのが本音だ。 - 2026年4月23日
- 2026年4月14日
読み終わったジェンダー関連の用語や温度感が分からないため読んだ。 具体的には、「アセクシュアルやアロマンティックは分かるけど、Aセクとかシスジェンダーってなに?具体的にどういう使い分けがなされているの?」とモヤモヤしていたが、本書を読んだことによりそのモヤモヤは概ね解消されたので、良い入門書だと初心者視点で思います。 そして、これはアセクシュアルやアロマンティックの用語や歴史を解説するだけでなく、同性愛者やトランスジェンダー、強制的性愛やフェミニズム活動、結婚制度に付随するものの多さなど、性や愛情に関するものについて広範囲について記されています。 また、偏見や差別に対する重要な考え方も記されています。マイノリティに対して攻撃的な言葉をかける行為(本文中では「排除」と呼ばれている)が差別行為であるということは普遍的な認識だと思いますが、まだまだ多くの人にとって理解しにくいのは、カミングアウトした際に「そんなの別に普通じゃない?」という言葉を返すのもまた差別なのだということです(「抹消」という形の差別です)。マイノリティの人はマイノリティであるがゆえに困難を抱えているわけで、本当に普通なら(マジョリティと同じように)困っていないのです。それなのに「そんなのは普通のことだよ」とされてマイノリティとしての存在を抹消されれば、必要な支援が受けられなくなってしまいます。 これは障害に関しても同じことで、本文中には弱視難聴の女性が弱視難聴として見られていない故に視覚障害者のフリをせざるを得ないエピソードが、引用されていました。著者の松浦氏がまさに本文に書いているように、私もこれは、軽んじて語られることの多い「抹消」型差別の大きな困難さを示す重要なエピソードだと思いました。 以上のように本書は、アセクシュアル/アロマンティックだけでなく、ジェンダー全般や差別問題に関心のある人に向けてもお薦めできる一冊となっているかと思います。 - 2026年3月31日
- 2026年3月20日
- 2026年3月12日
同姓同名下村敦史読み終わった前半を終え、『大山正紀被害者の会』が結成されて以後の展開はまぁまぁ面白かった。 後半は時間軸の違いとなりすましでややこしくて、一人称視点での心情描写とややズレがあるような気がしなくもないが、ぱっと読み返す限りは確かに確信的な話はしていないようにも思う だからこそ発端となっている、虐めやSNSでの誹謗中傷描写はなんとかならんかったのか。SNSでの暴言投稿が何度も何度も繰り返されるし、現実での虐めは現実での会話というよりインターネットでの会話すぎる。 そもそも学生たちの会話が基本的におじさんおばさんすぎるようにも感じる。中学生高校生が猟奇殺人にそこまで長い興味を持続させ、あそこまで殺人犯の名前を厭うような態度を取るもんか……? 男友達はもうちょっと不謹慎なからかい方をしてやっても良いんじゃないかというか、サッカー部の大山は元から薄っすら嫌われてたレベルでの引かれようじゃないか。 あと、お話のびっくり要素のために異常者がポップしている。 話の展開に感嘆するよりも異常者の異常っぷりの方がどうしても気になってしまうストーリー展開だった。 非モテの大山は女だったみたいだが、「女だから内見に付き合わせる女友達がいるのか、納得!」とはならない。変だよあの女との関係……。そして男とか女とか関係なく『今日はリアルロリと出会えた!萌えた!』←こんなツイートすな、盗撮すな。せめて鍵垢でやれ。美少女キャラが好きな女オタクは確かに多いが、ロリ萌えタイプで「俺の嫁」って言うのは2013年にしてもだいぶ古いノリだな……。しかも非オタの前でもその種のオタク用語を使う。変だよこの女。 もう一人の際立った異常者は、自分を犯人の大山だと勘違いして襲ってきたやつを監禁する大山。動物用の檻があって、そこに高校生らを監禁して、でも高校生は日頃からサボりがちだから周りには数日不在でもバレなかった!? あまりにも都合が良すぎるし、監禁大山の思い切りも良すぎる。変。 大山以外でもあまりにも愚かな奴らが多すぎる。冷笑中年男性と似非人権活動家女性のいるコンビニ、バイトとして働くにはハズレすぎる。 - 2026年3月10日
同姓同名下村敦史読み始めた本文から示されるに、作中年代は2013年らしいが、その割にはニュースのコメンテーターや人間の会話があまりにも古すぎる。1980年代〜90年代の雰囲気。 高校生が惨殺事件をそんな話題に出すか? 極端に性格の悪い人物たちも、現実にも存在はするんだろうけどなんにせよ言動がテンプレートすぎて。そんなツイートみたいなことを現実の会話であんま言わないだろ。 あとロリ好きの大山は非モテという割には女にモテすぎている。なんで非モテなのに内見と食事を一緒にする女友達がいて(絶縁されたけど、そもそも相性悪いのになんで一緒にいるんだ)、保育士に微笑まれて事務員にも微笑まれるんだ。 - 2026年3月6日
観測記録r-906読み終わった2月27日に読んで3月6日に読み終わった、多分。 作者のr-906が好きなボカロPなので、好奇心で購入。 初っ端から比喩が多量に入るが、それが読みやすさとか情景の想像しやすさに繋がっているかと言えばあんまりそんなことはない。 キャラクターの造形も、いかにも一人の人の頭から生み出されたという感じで、テンプレート的ではある(王道とも言う)。 でも後半に行けば行くほどスラスラ読めるようになってきたし、本の仕掛けも、まぁまぁ面白い。 何より、彼の曲のストーリーを知れるのが有難い。曲のファンかつストーリーを知りたい人にはオススメ。背景情報を知るのが嫌という人もいるかもしれないが、自分は『匙ノ咒』を聴く度、「音は凄く良いけどそれはそれとして主人公の身に何が起こってんだよ」とちょっとしたモヤモヤに襲われていたので、それが解決して良かった。 あと多分、きゅーまる氏はSCPが好きっぽい。SCPっぽい組織とSCiPっぽいオブジェクトを巡っての話なので、そういうのが好きな人にもオススメ。 - 2026年2月27日
春期限定いちごタルト事件米澤穂信読み終わった2月24日に読み始めて、27日に読み終わった。 推理癖の前にその舞台くさい喋り方の方が人からムッとされるだろう……。でもみんな、小鳩くん程ではないにせよ、全員演じているかのような喋り方してるからこの世界では普通のことなんだろう。 米澤穂信を初めて知ったのは古典部シリーズからなのだけど、この作者は、ほどほどの生活を目標とする高校生が持ち前の推理力ゆえに上手くいかないストーリーラインが好きなのか?(二作品とも主人公の造形がまぁ似ている。違うと言えばそりゃ違うが) それとも単にプロットが書きやすいのか。 - 2026年2月23日
悪い男アーナルデュル・インドリダソン読み終わった読み終わった。 タイトル「悪い男」で、序盤に殺人事件の被害者がレイピストであることも示唆されるから、どんでん返しがあるかと思ったが、むしろひたすら淡々としている。悪い男はずっと悪かった。 警察が主人公で、捜査パートがひたすら続く。日本のエンタメの感覚だと、こういうものはある程度圧縮するのが普通に感じるが、この小説ではひたすら事件の関係者(どれだけ関わりが薄くとも)に聞き込みをしていく。 読了するか、面白く読むには、こちらもただ情報を追っていくだけの淡々とした読み方を事前に習得しておく必要がありそう。 それにしてもこの街、監視カメラがなさすぎる。頼れるのは9割方、人の記憶。 主人公の女性警官は結婚していて三人の子供もいて、血に足のついた生き方の人。 読むうちに割と好感を持っていたのか、尋問パートは結構ショックだった。状況的に他の人が見つからないというのは分かるけど、物的証拠(指紋のついたナイフや返り血のついた服)が無いのになぜニナかニナの父親が犯人だとほぼ確定して物事を進めようとしている? ニナの意識がはっきりしているとしたら、レイプを趣味にしている男は酒にも酔っておらず薬も飲んでいない女性を家に連れ込んだということになるし、そもそもニナは最初から計画的に男を殺すつもりだったということになり、その方向性で確定するにはあまりにも証拠が少なすぎるだろう……。ニナの父親が犯人だとしても、ナイフの存在や、男が生きている状況でニナはいつどうやって電話をかけたのかが謎すぎるし。 途中「誰もが犯人に思える」といった心中の告白もあったし、もうここで終わらせたいというエリンボルクの疲弊を表していたのかもしれないが……うーん。 もっと現場の科学的な捜査をした方がいいと思うのだが……。 作品全体に漂う硬質さは結構好みだが、上記の点が気になったのと、あと、翻訳の影響なのか会話が堅苦しい。地の文ではあまり困らないが、長く会話が続くと平坦で、読むのにちょっと疲れるかも。 - 2026年2月13日
- 2026年2月12日
神曲 地獄篇ダンテ,平川祐弘読み終わった読み始めたこいつ、自分で自分を六大詩人の末席に加え入れてます!!! そんなことしていいんだ……。 余談だけど、この本を買った書店には地獄篇しか物理本の在庫が無かった。地獄下りだけしてろってか。 読み終わった 以下感想 まず翻訳が素晴らしい。他の訳を読んでみないことには相対評価は言えないが、読みやすく理解しやすいという点で絶対的に素晴らしいことは分かる。 歌ごとに最初に現代語で粗筋が書いてあることでこれからの流れを予習できるし、最後に当時やダンテの価値観やダンテ批評がまとまっているのが良い。 あまりにも基本的すぎる部分には訳注は無かったが(キリストを裏切ったユダの詳細など)、『神曲』を読もうとするやつなんて雑学程度にはキリスト教やギリシャ神話の知識があるに決まってるので、そこは問題にはならないだろう。 そして何よりダンテの詩才が素晴らしい。地獄の元ネタ自体はギリシャ神話や聖書から取ってきてるのだが、それをよくここまで膨らませられるな。地獄の描写も情感的な上に精緻で、読者に地獄の造形とダンテの心境が非常によく伝わってくる(訳者も見事だ)。 伝説的詩人であるウェルギリウスが案内してくれるのも、傲慢すぎるけどよく出来ていて便利な設定だ。基本的に傲慢すぎるだろと感じる設定と描写だらけだが、実際それぐらい天才なんだろうなと思うと腹が立つ。 エンタメ的にも面白い。ダンテの知り合いとかも出てくるけど、歴史的有名人が地獄でシバかれてるの、面白すぎる。人間のサディズムを程よく刺激させてくれる。 しかし『神曲』で描かれる地獄は、嫌っちゃ嫌なんだけど、めちゃくちゃグロくて悪意があって恐ろしいよ〜とは思わないので、ダンテはサディスト的思考をあまり持ってないんだろうな。貴志祐介とか湊かなえが描いた地獄とか……うわっ、想像しただけで嫌な気持ちになった。 - 2026年1月27日
アリアドネの声井上真偽読み終わった雑なところは色々感じるものの、まぁまぁ面白かった これミステリか? 本屋か帯の紹介文かに「ミステリ」「どんでん返し」とあったが、それらに惹かれて読み始めた人は期待外れになるかも 作中で何度も繰り返される格言「無理だと思ったらそこが限界なんだ」を、主人公は最後の方までずっと「だから無理だと思わなければいい」と解釈していたが、自分はむしろ「だから無理と思ったらそこで止まろうね」の方だと最初から思っていたので、この解釈の違いを読者向けへのギミックとして作用させてるのが少々厳しいかも 他にも、読者の思考を逸らそうとして意図的に触れなかったり別の解釈を被せたりしてる場面があるので、読書に慣れてる人ほど「ここらへんで読者を騙そうとしてるんだろうなぁ……」と推察がついてしまうだろうなと思う でも、スマートシティのお披露目で市長たちが演説したその日に地震が起こって崩れ去る絶体絶命都市のシナリオすぎるところとか、最後の主人公の推察がめちゃくちゃ外れてるところとかは結構面白かった - 2026年1月19日
- 2026年1月16日
悪魔情報城戸,オモコロ編集部読み終わったオモコロのサイトで読んでると何回もスクロールしないといけないけど、本としてぎゅっとなることでかなり読みやすくなってた。 書籍化するにあたって、「オカルト現象に悩んでいる人が悪魔情報に悩みを解決してもらうために、悪魔情報の出現したまとめスレを見て回っている」という付け加えられたストーリーが面白かった。書き下ろしも面白い。 江喰邸の話は相変わらずいつ読んでも怖い。 - 2026年1月16日
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