
まめご
@mmg_86
2026年1月30日

読み終わった
借りてきた
「ミュージアムを通してアメリカ文化について考える」という視点で、特定のテーマについてつくられた博物館、メモリアルや特集展示を紹介し、そこから読み解けるアメリカ社会のものの見方や問題を論じた1冊。
9.11やハリケーン「カトリーナ」、真珠湾の戦艦アリゾナなどのミュージアムを例に、展示の意図から、アメリカがこれらの事象をどう見ているのかが説明される。
いちばん興味深かったのは、創造と地球の歴史のミュージアムだった。
ここは、旧約聖書の『創世記』に書かれた天地創造を「創造科学」として、進化論を科学的に否定するというコンセプトのもとに作られたミュージアムなのだそうだ。
展示の詳細とそのロジックが紹介されていたが、どう読んでも私には「無理がある」という感想しか出てこないし、著者もそう感じていることが分かる。
しかしアメリカでは進化論を信じている人は4割くらいだそうで、キリスト教原理主義者にとっては、創造科学は進化論と対立する正しい科学なのだという。
生物の進化がすべて進化論で説明がつく訳ではないということを知っていてもなお、これはなかなか受け容れ難い。
博物館では、展示される情報や知識は事実に基づく正確なものでなければならないというのは大前提だけれど、読んでいるとその“正確”が揺らいでくる。
どんな社会でもそこには様々な人と様々な価値観があって、それをそのまま抱えていることを多様性と呼ぶのだと思っている。
アメリカの多様性は、考えているよりずっと複雑なのだろう。
そんな国が共通の正義を持つことは可能なんだろうか。興味は尽きない。
