
みっつー
@32CH_books
2026年1月31日
舞面真面とお面の女 新装版
野崎まど
読み終わった
人は誰しも仮面をかぶって生きています。
って、今日読んだ小説の中(あとがき)に書いてありました。
実際どうなんだろうね。
最近、やたら職場で質問攻めというか詰問に近いことを同僚から受けている。
嫌…ではあるんだけども、まぁこの人なりのコミュニケーションか、と思って話を続けていると、ある質問で自分が固まってしまうタイミングが来る。
別にその質問に答えたくないわけではない。
だけど、その答えを持っていないと急に言葉に詰まってしまう。しかも、簡単に答えればこっちの人格を疑われてしまうような質問だ。言葉のニュアンスとかも含めてしっかりと返答しなければならな…いや、なんで職場で喋ってるだけでこんなに頭巡らせなくちゃいけないんだよ、働けよ。
こういうくだりがあると、確かに、自分にとっての“仮面”を感じるかもしれない。
なんとなく、その人が欲しい答えを用意したくなったり、むしろこれ以上会話したくないなぁ感を醸し出すか、みたいな返しをしてみたり、意外と普通のコミュニケーションで無意識にもそういった仮面の付け替えみたいなことはやっているのかもなぁ、ある意味おれはペルソナ使いであり、心の怪盗団なんだなぁ、なんてことを考えたり、考えなかったりしている。
しかし、その仮面は時にして、何かをやり遂げようとする際に邪魔になったりするから困ったものである。
僕にとっての仮面はゲーム風に言えば、心を守るためのアクセサリー装備である。防御力や精神力を上げてくれたりするアレである。
メインの装備は頭装備(知識とか)、体装備(肉体とか)、足装備(経験)などで守ることができるけれど、アクセサリーは正直付けても、付けなくても、それ相応のレベルがあればメイン装備だけで対処できることが多い。
しかし、ほんの少し、足りないところを補うにはアクセサリー装備が必要不可欠になる。
その空欄部分に、僕は“仮面”を装備させている。
“仮面”の追加スキル、それは防衛本能である。
例えばさっき書いたように、言葉尻を取られたり、質問で責められるようなことがあれば、咄嗟に仮面のスキルを発動させて防衛本能を使用する。
すると「なんとな〜く、話題を変えてみよう」とか「逆に質問をしてみよう、あわよくばそのまま逃げ切ろう」みたいな吹き出しがもわわわ〜んと現れ、僕はその吹き出しの中から使えそうな言葉を選択し、晴れてトラブルを未然に防ぐことができる、というわけだ。
はぁ、良かった。
と、安心しているとまた別の角度で責められたりもするのでたまったもんじゃない。働けよ、お前。あと、おれも。
“仮面”の意味合いは他にもいくつか思い浮かべることができる。
例えば、ビジネスマンが交渉などする際に「本音と建前」を使うことがあるだろう。表向きではこれこれこのように進めてほしいと説明するけれど、その裏では別のことを動かす、なんてことにも“仮面”という言葉は使えると思う。
そして、時には、自分自身が仮面を身に付けていることに気づけていない人もいたりする。
自分自身の気持ちを隠し、剥き出しになるはずの欲望を、知らず知らずのうちに抑えてしまっているような、そんな人も…この世の中にはいる。
野崎まどさんの『舞面真面とお面の女』という本を読んだ。
第二次大戦以前、一代で巨万の富を築いた男・舞面彼面。
戦後の財閥解体により、その富は露と消えたかに見えたが、彼はある遺言を残していた。
“箱を解き 石を解き 面を解け
よきものが待っているー”
時を経て、叔父からその「遺言」の解読を依頼された彼面の曾孫に当たる青年・舞面真面。手がかりを求め、調査を始めた彼の前に、不意に謎の「面」をつけた少女が現われてー?
鬼才・野﨑まど第2作となる伝記ミステリ、新装版!
舞面真面とお面の女、裏表紙より
主人公・舞面真面、相変わらず名前のクセがすごいぜ。
前回読んだ『アムリタ』は最原最早というヒロインがいたけれど、今回はそもそも家系の話になってくるので、舞面がたくさん出てくるわ、下の名前にも面が入ってくるわで大変だった。真面にとっての叔父である「影面」に関してはもはやページを戻って読み仮名を確認するのも諦めた。それを確認するためにもぜひこの本を購入して欲しい。
ジャンルがミステリなので、ここで細かく書くことは憚れるが、謎に向かっていくまでのプロセスがとても面白く、時にはデートしたり、時にはわちゃわちゃしたり、その中で謎が明らかになったりする。
やっぱりリラックスしてたり、今考えていることと違うことをしていたりすると急に繋がったりするもんなんですよねぇ。
別にこの本はそれを推奨したいわけじゃないと思うけれど。
『アムリタ』もそうだったけれど、登場人物の掛け合いや、個性的な人たちがたくさん出るので、自分ならどんなビジュアルでアニメ化するかなぁ〜ぐへへへへ、なんて見方をしても面白い。
ちなみに僕は「熊さん」という仕様人の方がかわいいと思いました(小並感)。
そんな熊さんにも注目していただきつつ、彼らに託された遺言の謎を一緒に解いていってみてはいかがでしょうか?
