enoki "女子刑務所: エジプト政治犯..." 2026年1月29日

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@en0ki
2026年1月29日
女子刑務所: エジプト政治犯の獄中記
女子刑務所: エジプト政治犯の獄中記
ナウル・エル・サーダウィ
本書は自分の部屋で執筆の仕事をしていただけの著者の元に前触れもなく警察が訪れ、明確な理由なく著者を連行する場面から始まる。 エジプト出身で、特にイスラム社会における女性の権利、また広く民主化を求めて活動する著者はどうやら「危険」とみなされたようだった。「どうやら」という言葉は作中を通してはっきり「あなたのここが問題です、だから捕まえました!」と言える人間が全くいないので使った。本当にびっくりするほどいない。著者を刑務所に入れた人間はみな「自分はただ上からの命令に従っているだけで、何もわからないのだ。」と言う。当然話も進まない。裁判も進まない。というか、元凶となった大統領が暗殺されるまで始まりもしなかった。 刑務所の環境は劣悪で人権が無視されているな……と思ったが、そんな中で収容されているみんなでストライキをして食事や環境をわずかながら改善させたりしているのには驚いた。憎さやら怒りやらで捕まっているわけではなく、特に著者がいたのは政治犯扱いの女性が収容されていた場所だったためか、時には「ある程度偉い人」という扱いを受けていることもあって、何か歪さを感じた。 医学部を出て医者になっている著者や、他の教育を受けたジャーナリストと一緒に、理由もわからず入れられてしまっている文字が読めない若い女性もおり、教育機会や思想の違いは大きかったが、それでもなんとか協力し、励まし合って過ごしており、強かだと思った。勇気づけられるが、同時にこんな状況はそもそも起こるべきではないのだと憤りも感じた。 今後自国がこうならないようにしたい。
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