
本読む珍獣 おかぴ
@okapi
2026年2月4日
ワイン一杯だけの真実
村上龍
読み終わった
ワインと女性を描く短編集。ワインの詳細が記述されるので解説を先に読むべし。
私はワインを嗜まないので、正直ワインを中心として巡る思い出に対する心情とのマリアージュを想像することができないのだけど、年数を重ねたワインの複雑な味や華やかな香りは女性をオマージュするにはぴったりなアイテムなんだとおもう。わからないなりに共感できる部分もあった。生きにくさを抱えた他人はその辺にいるいる。
―ここからは批判―
「俺の考える最高にエロい女列伝ーワインを添えてー」
って感じ。あとがきに「自分に違和感をもつ普遍的な女性」ってあるけどこれが普遍的なら女性は漏れなく心療内科にかかるべきということになる。んなわけあるか!!!
精神的に病んでいて、性的に奔放で、何かに執着して倒錯しているのが、作者の言う「悩める普遍的な女性」を指すなら、正確には『精神的に病んでいて昔の男に強い執着をもつ女が性的に倒錯している姿はひどくエロティックなので全世界の女がこうであってほしいし、全員こうであれ』という「願望」だとおもう。
それはそれでいい。こういう女エロいよな!?と、官能小説というジャンルでストレートに訴えられたら、鬱屈した癖を文学作品に仕上げましたね。と、成人漫画に畏敬の念を持つ私はきっと感心する。
実際、そういう女性も少なからずいるんだろうし(特に歌舞伎町とかね)、ビッチもメンヘラも批判しない。それぞれが人生の課題に向き合っているだなとおもうから。でも、高尚な文学の顔をして、それが普遍的な女性だ!って言われるのは気分が悪い。
世の女はおじさんのために居ないんだよ。
1998年頃に発行された作品らしいけど、時代に許された作品なんだろう。
令和ならフェミの着火剤になってたかもね。
最後まで読んだので、これくらいは言う権利があると思うんだよね。
すっきりした。
私はワインを飲みたいと思わなくなりました。

