しろくま
@shirokuma1909
2026年2月4日

過去の克服: ヒトラー後のドイツ
石田勇治
読み終わった
借りてきた
戦後ドイツがナチズムの過去とどのように対峙してきたのかを敗戦直後から出版年(2002年)までおおむね時系列に沿って描いた本。全体的な展開の過程を内政・対外関係・東西ドイツ関係を視野に収めて論じている。ドイツの「過去の克服」に関する通史と言ってよいと思う(現実政治という観点から「過去の克服」を描いた武井彩佳『和解のリアルポリティクス』と併せて読むととても理解が深まった)。
戦後西ドイツの執政者(大統領・首相など)に詳しくなかったため、巻末にある「資料(ドイツ連邦首相・議会選挙・政権連合・大統領一覧)」が読み進めるうえでとても役立った。また、随所に、出来事の記述→ポイントの整理が挟まれるため、とても読み進めやすい。また、いくつかの箇所では、落涙しそうになった。
2026年現在読んでみると、ナチズムの過去を克服しようとしてきたドイツが、イスラエルによるパレスチナへの侵攻と領土拡大を実質的に野放しにしてきた現状が気にかかるのだが、2002年出版の本にその点への言及を望むのは望蜀の嘆と言うべきだろうか(もっとも、ドイツにおいて反ユダヤ主義と反シオニズムの垣根が低いことへの言及はあるし、私の願望は没歴史的と言うべきかもしれない。しかし、2002年当時でもオスロ合意に始まる和平プロセスの失敗は明らかだったのではないかと私は推測するが⋯⋯)。2023年に新版が、2025年に『岐路に立つドイツの「過去の克服」』が出版されているようなので、こちらも読みたい。