片刃 "箱の夫" 2026年2月12日

片刃
片刃
@kataha462
2026年2月12日
箱の夫
箱の夫
吉田知子
「水曜日」が怖いと聞いて読んだ。 ただいずれの短編もはっきりとした怖いものは描かれない。何ならこの感覚は恐怖ですらない。 今本を通して直面している状況がどういうものなのか、読んでいる途中から分からなくなる。また、読み進めながらこうではないかと巡らせた想像が、いつの間にか違ってきている。言葉のやり取りに「」が付かないことも多く、誰が誰と話しているのか、どこまでが語り手の発したものなのか、自他の境界が分からなくなる。 このように実体が見えない不安が常に付き纏っている。その最骨頂が「水曜日」だった。
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