
kyoko
@knreliure
2025年3月12日

読み終わった
かつて読んだ
この本はパピルスに興味を持つ人なら必ず読むべき一冊だと思っている。
古代におけるパピルスの立ち位置、語源、生活用品としてのパピルス草、パピルスに書かれる事象への言及などひととおりのパピルス知識が前半では語られ、パピルスから古代エジプトの世界が見えてくる。
特に私が興味を持ったのは後半で、パピルス紙を実際に復元する研究が報告されている。
復元実験のここまで詳細なものは私が読んだ数少ないパピルスに関する本の中では唯一だったため、とても勉強になった。
知識欲を満たしてくれるという観点から見ても満点な本書だが、全体に流れる著者の研究への真摯な姿勢にも非常に心打たれる。
パピルスの研究は少しづつ進んでいて、この本の執筆段階ではまだ不明な事も今ではぽつぽつと解明されてきている。この本の情報はいつか古びていくのかもしれないけれど、著者の研究への姿勢はいつまでも学ぶべきところがあると思った。

