

kyoko
@knreliure
本にまつわる本の記録
- 2025年3月18日読み終わったかつて読んだハードカバーの製本をやってみたいなと思った時に初めて買った本。 製本はハウツー本を読んでも理解するのが少し難しい。独学にはあまり向かない分野だ。 この本もかなり丁寧で明解なイラストで図説されているが、右も左もわならない初心者には全くわからず、しかし何度も何度も読み返して、作ってみて、また読み返してをしていくうちに少しづつ製本というものが分かっていくのが楽しかった。 何より山崎曜さんの作品の世界観が当時の私には魅力的すぎて、なんとかこういう本を作ってみたいというモチベーションのみで独学を続けていた。 その後、しかるべき所で製本を習い、それなりに作れるようになった今でも、デザインや便利な道具など、参考にさせてもらっている。 製本のハウツー本は良書がたくさんあって、この本だけが特別優れているとは言わないが、初めて買った本というのはなにか思い入れがあるなと思った。
- 2025年3月12日読み終わったかつて読んだこの本はパピルスに興味を持つ人なら必ず読むべき一冊だと思っている。 古代におけるパピルスの立ち位置、語源、生活用品としてのパピルス草、パピルスに書かれる事象への言及などひととおりのパピルス知識が前半では語られ、パピルスから古代エジプトの世界が見えてくる。 特に私が興味を持ったのは後半で、パピルス紙を実際に復元する研究が報告されている。 復元実験のここまで詳細なものは私が読んだ数少ないパピルスに関する本の中では唯一だったため、とても勉強になった。 知識欲を満たしてくれるという観点から見ても満点な本書だが、全体に流れる著者の研究への真摯な姿勢にも非常に心打たれる。 パピルスの研究は少しづつ進んでいて、この本の執筆段階ではまだ不明な事も今ではぽつぽつと解明されてきている。この本の情報はいつか古びていくのかもしれないけれど、著者の研究への姿勢はいつまでも学ぶべきところがあると思った。
- 2025年3月11日本棚の歴史ヘンリー・ペトロスキー,Henry Petroski,池田栄一読み終わったかつて読んだここ10年で読んだ本にまつわる本の中で、誰かにおすすめするとしたらこの本だろうと思っている。 本棚問題は多分本好きの誰しもが頭を悩ます問題だと思っていて、本書はそんな悩みを解決…はしてくれないものの、昔の人々がどのように本を保管してきたかが分かる非常に面白い内容。 訳文の文体も読みやすく、少し古い本ではあるが人気があるのも頷ける。 他書での参考文献としての引用も多く、文献としても重要な一冊だと思う。
- 2025年3月10日美しい書物/アーツ・アンド・クラフツ運動トーマス・ジェームス・コブデン=サンダーソン,野村悠里読み終わった装丁がとても良い。フランス装、機械糸綴じ、接着剤は背固めの部分のみ。 本文は縦組で余白が非常に大きくとられていて、文字のサイズも一般的な単行本より大きいため、格調高いレイアウトになっている。 ボリュームとしては非常に軽い。しっかり読んでも1時間かからない程度。製本家の目線から語られるアーツアンドクラフツ運動は、ものを作る職人を志す人の心をつかむ。 日本語訳された事が非常に嬉しい文章だった。 限定版のようで、発売すぐに入手困難になっているのが残念。
- 2025年3月9日書物とデザイン松田行正読み終わったかつて読んだ本文のレイアウトは非常に高度で情報の見せ方の勉強になる。460ページ越えのボリュームだが、随所に飽きさせないための工夫や、どこから読んでも良さそうな章立てがされていると感じた。 装丁は小口絵があったり、コデックス装を採用したりと本全体から冊子本への愛と松田氏のこれまでの活動の集大成を感じた。 本の歴史に関しての深掘りは殆どないため、普段から書物系の人文書などを読んでいる人には物足りないと思うが、本の歴史に付随してそのデザイン(装丁と本文レイアウトどちらも。)がどのように変遷してきたかが分かって面白い。 ただ、しばしば著者の想像の部分と事実が混ざっているように感じるため、読み方に注意が必要かもしれない。
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