読書猫 "無気力の心理学 改版" 2026年2月6日

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2026年2月6日
無気力の心理学 改版
無気力の心理学 改版
波多野誼余夫,
稲垣佳世子
(本文抜粋) “わたしたちは、好きな活動に従事しているとき、自分の活動を支配しているのは、ほかならぬこの自分であるという実感がある。その活動はいつはじめてもよいし、いつやめてもよい。どんなふうなやり方でやろうと自分の自由である。しかし、ひとたび賞や外的評価が導入されるや、賞を得るために、あるいは外的評価の基準に合うように、行動を組織化しなおそうとする傾向が強くなる。そしてそれに関わる過程で、次第に、行動の源泉が自分ではないという感じが強くなるのではないだろうか。” “効力感を発達させるためには、これまでの章で考察してきたことに加えて、さらに二つの条件が必要とされる。ひとつは、本人が自己向上を実感しうる、ということである。向上の判断基準が外部にあるかぎり、成功の喜びも、せいぜい一時的なものにとどまり、意欲的な生き方を導くものではありえない。もうひとつは、自己向上が本人にとって、価値のある、真に「好ましい」ものでなければならない、ということである。” “人々の実存的な要求の様相が創造と愛と自己統合の三つであるとすれば、これをもたらすような熟達の過程こそ、その人にとって最も好ましいということになる。” “スペシャリスト(たとえば医者、芸術家、弁護士)は、熟達を彼らの「自由」のよりどころにしている。彼らは、いわば「現代化された」職人であり、その高度な熟達のゆえに、企業体に対してある程度の独立を達成し、かつ一定の地位と収入とを「保証」されている。これらの人々が、権力やお金の亡者にならないかぎり、内発的な動機づけに目を向けることは十分考えられる。彼らは、熟達にいっそう磨きをかけることで、「自分ならでは」の仕事を遂行し、しかもそれによって他者に貢献しうる、と信じている。この人たちが、労働をとおして効力感を得やすいことは確かであろう。”
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