
カミーノアン
@kaminoan3699
2026年2月8日

変半身 (ちくま文庫)
村田沙耶香
読み終わった
感想
読書日記
村田沙耶香
この作品では、「世界の秘密」を知った瞬間に、人の内側で起きる変化が描かれている。それまで信じていた秩序が揺らぎ、空白が生まれ、そこに新しい真実が入り込む。
「新しい真実を信じるとき、人間の頭はクラッシュする。その瞬間だけが、本当に「無」になれるときなのよ。次の瞬間には、新しい信仰が始まってしまうんだから」
新しく書き込まれた秩序は強固で、外からの異論を受け付けない。他者との合一は心地がよく、いったんそこに身を委ねると、以前の自分に戻ることが難しくなる。
「目の前の生き物たちは、いつでも、新しい「真実」を喜んで受け取る。それに飽きてくると、今度は次の新しい真実を受け取る。まるで、真実を食べ続ける化け物みたいに」
村田沙耶香が描き続けているのは、「人間社会という宗教」と、それに絡め取られていく人間の営みだ。島の村落という閉じたシチュエーションが、その構造をいっそう濃密にしている。









