
遠亜
@toa_bookworm
2026年2月10日
手のひらの京
綿矢りさ
読み終わった
京都に生まれ育ってみた風景、感じること、喜び、そして苦しみ。そういう色んなものが詰め込まれていた作品だった。
一番驚いたのは、「私は山に囲まれた景色のきれいなこのまちが大好きやけど、同時に内へ内へとパワーが向かっていって、盆地に住んでる人たちをやさしいバリアで覆って離さない気がしてるねん」のセリフの的確さ。
わたしも、凛と同じくらいの歳の頃、まったく同じ漠然とした恐怖を京都の町に対していただいていた。こんなところで分かってくれる人に出会えるとは思っていなくて、驚いた。同時に「そんなことを思ってたなぁ」とも。
おもしろかったのは、わたしの中に三姉妹の全員がちゃんといるんだなって感じたこと。長女の綾香の気持ちも、次女の羽依の在り方も、三女の凛の漠然とした感覚も。そして、時間が通り過ぎていくたびに、わたしの中の三女の比率が変わっていく。これからは、綾香の比率が増えていくんだろうか。そんなところにも、面白さを感じた。数年後読んでみたら、また印象が変わってる類の本かも。

