しろくま "証言沖縄「集団自決」: 慶良..." 2026年2月18日

証言沖縄「集団自決」: 慶良間諸島で何が起きたか (岩波新書 新赤版 1114)
慶良間諸島の戦争体験者37人に「集団自決」の体験、戦後そのこととどう向き合ってきたのかを聞き書きした本。沖縄タイムスで2007年5月から12月まで連載された「命語い」(ぬちがたい)をもとに、大幅に再構成されている。 「第一章 慶良間戦とは何かーー沖縄戦最初の地上戦」は、沖縄戦における慶良間戦の位置づけを簡潔かつ的確に伝えており、その後に続く聞き書きの導入として優れていると思う。 第二章以降の聞き書きに関しては、あまりに過酷な内容のものが多く、陰鬱とした気分となり、目を閉じたくなるようなことが多かった。しかし、読んでいく過程で、「慶良間諸島における集団自決」のなかにも、渡嘉敷島、座間味島、慶留間島、阿嘉島では違いがあり、生き残った人たちの経験や戦後に抱いた感情もさまざまなのだということに思い至った。付け加えるなら、37人の証言を謝花さんが再構成して提示されているので、(もちろん人によるだろうが)もとの証言がどのような語りで、どれくらいの長さのものだったのかは気になるところ。 ①歴史修正主義者たちによる、歴史教科書や出版物の「集団自決」の記述から軍強制を削除させるという「沖縄プロジェクト」、②大江健三郎『沖縄ノート』の軍命の記述が名誉毀損にあたるのかを争う裁判などの歴史修正主義の動きが加速するなかで、2007年3月の教科書検定では教科書の「集団自決」の記述から軍強制が削除されることとなる。これらの流れに抗うようにして語られた証言の数々を(それが実際にどの程度実現できているかは心許ないとはいえ)受け止めたいと私は思っているし、受け止めることができる社会であってほしいと思っている。
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