
猫島みい子
@cestopis
2026年2月22日
あまねく神竜住まう国 〈新装版〉
荻原規子
読み終わった
源氏の少年期の小説というと、義経の鞍馬時代か平泉時代がよく取り上げられる印象があるが、本作は頼朝の伊豆時代を取り上げている。
頼朝というと冷静(むしろ冷淡?)で野心家、でも妻には弱い…と正直あまりいいイメージではなかったが、この作品では迷いながらも真っ直ぐ前を向こうとする少年だった。厳しいながらも話せば通じそうな大人、同世代の良きライバル、少しだけ年上の助けてくれるお兄さん的存在、頼りになるのかならないのかよくわからない保護者的人物、圧倒的美貌の年上の女性…と列挙するとありがちな物語のようだが、どの人物も存在感があり物語の中で登場する必然性があるため、「はいはい、お馴染みのやつねー」とクリシェ的には感じなかった。
荻原規子作品の中では短い方で、独立した作品としても読めるので入りやすいのでは。前日譚である「風神秘抄」を先に読んでいる方がお勧めではあるけれども。
読み終わって楽しかったなと素直に思った。