
猫島みい子
@cestopis
文字として残しておかないと、どんな本を読んでその時どう思ったかを忘れてしまう…ということに気付き、Readsを始めました。
- 2025年11月5日
そして誰もゆとらなくなった朝井リョウ読み終わった笑いながら楽しく読んだが、同じ作者の小説を読んだときの読後感との差に正直戸惑った。すごくひとあたりのいい人が、裏ではものすごく辛辣な人だったような落差。 - 2025年11月1日
文豪、社長になる門井慶喜読み終わった文藝春秋を創業した作家菊池寛の物語。 近くにいたらちょっと面倒くさそう、でも憎めない愛すべきおじさんだったんだろうな。と思わされた。 交友関係の広さ故、次から次へと有名作家たちが登場するのでついていけるか心配だったが、するする読めた。 - 2025年10月31日
うたうおばけ (講談社文庫)くどうれいん読み終わった最初は「なんでれいんさんの周りにはこんなに面白いともだちだらけで、面白い出来事だらけなんだろう?」と思った。 が、読み進めるうちに、れいんさんが日常の中で他の人が見落としてしまいそうな些細なことでも、心が動いているであろうこと。そして、心が動いた瞬間を見落とさずに丹念に拾いあげていること。それらをきらきらした目で見つめていること。 だからこそ、こういったイキイキとして美しいエッセイに昇華されるのだなあと考えが変わっていった。 …と思っていたらご本人が「誰の人生にも額縁に飾りたい瞬間がある」とあとがきに書かれていた。 読み終えた今思うのは、ともだちが個性を発揮できるのはれいんさんがそういったものを思う存分出しても安心な人だからこそ。ちょっとした出来事を拾いあげる豊かな感性と、温かい人柄の合わせ技でこのエッセイは作られているのだと思った。 - 2025年10月29日
静電気と、未夜子の無意識木爾チレン読み終わったカバーに惹かれて購入したけど…not for me で最初から最後まで物語の中に入れなかった。 誰かの夢の中に入り込んでしまって、迷って抜け道が見つけられないような困惑と当惑。その世界の中の人同士は普通に会話しているのに、自分は言葉は理解できても内容が全くわからず会話についていけない。 或いは、出張で新幹線の3人掛けの席に座ったら、隣りの女の子二人が共感できないディープな恋バナを始めてしまった。断片的にずっと会話が聞こえてしまい困り果てて…。 そんな気分になった。 - 2025年10月27日
呪文よ世界を覆せ(4)ニコ・ニコルソン読み終わっためちゃくちゃ好きな漫画。 広げられた風呂敷がきれいに畳まれ、納得がいき、それぞれの登場人物のその後も見える、美しい終わり方だった。でも、これだけ面白かったのに4巻で終わったのが寂しい。 キャラクターが誰もがイキイキしていた。主人公のトタの明るく、でも仕事で芽が出なくてモヤモヤドロドロしていて、家事上手で、愛情深く介護できるくらい懐が深く、そして短歌にしたら言葉が溢れ出すくらい完成豊かで…という奥行のある人物像が素晴らしい。 短歌がモチーフだけに、次々と組み込まれる歌のセレクションが絶妙。全然短歌を知らなかった自分でも興味が持てて、かつストーリーの文脈にぴったり。短歌入門としても秀逸。(この漫画を機に穂村弘さんの本を買いました) これまで、ニコさんの漫画は『わたしのお婆ちゃん』が一番好きだったけれど、こちらがベストになったかも。 - 1900年1月1日
かつて読んだ1970年代から80年代にかけて、コンゴで銅山開発に携わった日本鉱業。そこで働いていた労働者と現地の女性の間で50人から200人ほどの子供が生まれ、銅山を閉鎖して帰国の際にそのまま子供が現地に残されたと言う話。コンゴは父系社会のため父がいなくなった子供たちの多くは貧困にあえぎながら暮らしている。そういった事実を丹念な取材で明らかにした渾身の作品でした。 読んでいて色々な気持ちになりました。 父親たちの無責任さへの憤り。 糾弾しようと思ったらいくらでもできそうなのに、敢えて筆致を抑えた作者の姿勢に拍手。 子供達の存在を認めてようとしない元社員に唖然。 取材に応じながらも、掘り起こすべきではないと語った別の元社員の自己正当化への疑問。 やりきれない思いになる一方、コンゴ日本ハーフの子供達のために尽くし続けた田邊氏という元ビジネスマンと、佐野氏というシスターの人間としての誠実さや美しさに心洗われる。 ただ、読者があまりに「これは許せない」と糾弾すると、ますます名乗りにくい状況になり子供達の「お父さんに会いたい」という願いからは遠ざかってしまう気がして余計複雑な思いになる。 - 1900年1月1日
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