双子の山羊 "100年先の憲法へ" 2026年2月19日

100年先の憲法へ
【双子座の帯】 寅子たちと共にあの朝ドラを駆け抜け、100年後の私たちの手に届いたあなた。今、私たちはあなたとどう向き合っていけばよいのかーー 虎に翼のもう一人の主人公「日本国憲法」を、ドラマのストーリーを交えて解説。さらに第二部では、寅子が出会う間違えながらも良く生きようとする男性たちの葛藤と、それぞれの変化について語る。次の100年に繋げる一冊。 ーーーーー 虎に翼を観ながら手に取った一冊。折しも、平和憲法を守るにはどうすべきかと抱えた不安な気持ちが収まらないまま終わっていった、2026年2月の衆院選を経てのことだった。 基本的人権を謳う14条の「国民」という言葉を見るたび、どの範囲を指すのだろうと不安になっていた。本書の「主権者」についての注釈から、日本に在留する外国人にも等しく適用されることを知り、憲法解釈のあり方を垣間見た。こうしてこの国の憲法の意味を考えることが自分の人生にはなかったことを省み、私は主権者なのだと小さくも確かに自覚する読書だった。 日本社会の女性が受ける抑圧を在住経験から知った上で、婚姻における男女同権を24条の草案に組み込んだ GHQ職員のベアテ・シロタ・ゴードン。新しい憲法が交付されたことを受け、判事としての職を求めた三淵嘉子。二人の人生年表を見比べながら、直接の接点はないが、同じ時代に、同じリレーのバトンをもって走っていた二人の女性が、どこかですれ違っていたかもしれないと、著者太田さんの楽しい想像に参加する。「押し付け憲法」というのは誤解であるという注釈も、私には大切な指摘だった。 第二部 男性たちの群像 には、付箋を全ページに貼りたい。私は中年男性のロールモデルを探し続けており、最近やっと、性別と歳の差を超えて、YOUとの友情をテレビの世界で見せ続けてくれる藤井隆が、私のなりたい姿だと思うようになった。(二人は今日も踊ったりバカやったり。)でも、人は間違いを犯すものだから、神聖視は禁物。この男性たちの群像は、間違え他者を傷つけながらも、自己を省み謝ることができる男性像という観点で、人物造形を解説している。特に、悲しいとか情けないと言葉にできる轟や小橋の話と、高邁な男女同権の理想を掲げながらも、現実の問題に向き合えなかった穂高の話が心に残った。こんな人になりたいという像を探し続けながら、読み返したい。
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