
句読点
@books_qutoten
2026年2月24日
読み終わった
2024年の兵庫県知事選での事例を軸に、今選挙ではSNSでの動きが選挙結果を大きく左右することを示し、そこに潜む危険性や、どうすればそうした流れから自立して自分の頭で考えることができるのかを吉本隆明の思想をもとに考える一冊。
「SNSの情報に流されるリテラシーの低い大衆が選挙結果を歪めて、ポピュリズム政治家が台頭し、その結果大衆自身の生活を圧迫し、敵を外部に求めるようになり、やがては国家を戦争に向かわせて、破滅に招くだろう」とつい思ってしまうが、これも一つのストーリーであって、冷静さが必要だ、と釘を刺されるような内容だった。
もちろん、今の政治の流れはよくないと思っている。しかしその批判の方法を間違えると、全く意味がないどころか、さらなる事態の悪化を招きかねない、という冷静さが必要だ。
有効な抵抗の方法を探るためにも、まずは自分がストーリーの奔流から抜け出て、冷静さを取り戻さなくてはならない。そのためには、まず「敵」を知ることだ。どういうメカニズムが働いていて、どういうところに危険があるのか、なぜ人々はそうした危険な流れの中に飛び込んでしまうのか、なぜ抜け出しにくいのか、を見つめることが重要だ。
そこから、脱出の糸口も見えてくる。
SNS選挙に不安や恐れを抱く人、危機感を持つ人ほど、この本を読んで一旦冷静さを取り戻すことが必要だと思う。吉本隆明の方法は、ソクラテスの方法にもつながる。哲学の原点に立ち返り、常に疑う。何を知らないのか、を知っていなくては。(テミスの不確かな法廷)



