
ジクロロ
@jirowcrew
2026年2月27日
パイドロス
プラトン,
藤澤令夫
かつて読んだ
(ソクラテス)
もしそういった(文や詩などの)ものを書くに際して、真実がいかにあるかを知り、自分の書いた事柄について訊問されたときに、書いたものをたすけてやることができ、そして、書かれたものは価値の少ないものだということを、みずからが実際に語る言葉そのものによって証明するだけの力をもっているならば、そういう人は、それらの書き物からつけられる肩書で呼ばれてはならない。彼の呼び名は、真剣な目的をもっで当る仕事からこそつけられるべきである、とーー。
(278C-D)
『パイドロス』の最後あたりの対話は、かなり頭がこんがらがるようなソクラテスの言い回しが続くが、読み返すごとに、より多くの「種」を見つけることができる。まさに、そういったことをメタ的に伝えるために、こういった言い回しを使い続けるあたり、プラトンの力量の凄み。
書かれていることは「想起」以上の内容や目的を持たないーーこの言い切りに痺れる。書き残さなかったソクラテスが言うからこそなおさらに。
なにより、そういった内容を、ソクラテスに言わせ、プラトン自身がそれを自戒の念を込めて書き記しているということに思いを寄せると、なお感動的に思える。