ジクロロ "増補カラー版 九相図をよむ ..." 2026年2月28日

ジクロロ
ジクロロ
@jirowcrew
2026年2月28日
増補カラー版 九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史
花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに(古今和歌集 春二) 思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを(古今和歌集 恋二) 散り始めた満開の桜に、恋人を待ちながらむなしく老いていく自分自身の姿を重ねる小町。訪れない恋人を想いながら独り寝て、夢に恋人の姿を見、目覚めればまた孤独に打ちひしがれる小町。彼女の歌には、若さと美しさの絶頂にありながら、恋という頼りないものに翻弄されて、たちまちに人生の盛りが過ぎてしまうという寂しげな予兆が満ちている。これらの秀歌が引き金となって、若さから老いへ、美から醜へと転じていく数多くの小町伝説が生まれた。そのうちのひとつが、小町髑髏譚である。 (「小野小町の髑髏」) 「花の色の果て」、としての「小野小町の髑髏」、 タイトルからして規格外。 季語の定義を「移ろうもの」「循環するもの」という大きな枠組みで捉えると、「髑髏」もまた季語となりうる。弔辞は文化であるが髑髏は自然である。 「秀歌が引き金」 文化人であった小町の果ての黒伝説。 髑髏、その所有格として小町を選ぶところに、 文学的な美的センスを感じる。 極めた栄華は頽廃の好餌。
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