はやしさん
@seiichi0884
2026年2月28日
極右インターナショナリズムの時代
佐原徹哉
読み終わった
欧米を中心に、各国の極右思想が、ローカリティを相対化しながら国境を越え伝播するという現象を、これでもかという情報量をもとに描いた一冊
類書がとぼしいだけに、バルカン史の専門家としてこの現象をウォッチしてきた著者の熱量は並々ならぬものがある。個人的には、「人種」の入れ替え論を検討した第三章がもっとも面白かった
ただし、全篇を通じて情報量が多すぎるし、焦点が、極右インターナショナリズムからごく頻繁にずれてゆく。そのため読みごたえがあるものの、かなりハードな読書体験となる
とりわけ難民のバルカンルートを論じた第五章は、この問題の流れとヨーロッパ各国の欺瞞を確認するにはもってこいだが、極右思想とのつながりがほとんど言及されずに終わっている
また、中東のジハード主義を論じた第二章は、登場人物や団体があまりに多く登場し、いささか生煮えの感があり、筋を追うだけで一苦労であった
とはいえ、情報量が多いし、付箋を貼りまくったのも事実で、貴重な知見の宝箱にアクセスした感があるから、読後感は満足であふれている
版元には、この情報量なのだから、ぜひ索引を付すことを英断していただきたかった!