
amy
@note_1581
2025年3月14日

草原のサーカス(新潮文庫)
彩瀬まる
かつて読んだ
感想
組織への献身がいつのまにか執着になったり、好きでやっていることがいつのまにかやらされていたり仕事やそのときの時代の流れやタイミングのなかで変わっていく部分と変わらない部分があって、そこに根差す自分らしさやその罪深さが転がっていくお話だった。
正しいと思っていたことが過ちに反転したりするとどうすればいいかわからなくなる。「それでは他者が差し出す正しさを頼るのではなく、ゆっくりと自分で考えてください。この先も人生は続き、もっと深い場所で片桐さんを理解し、罰し、赦すことができるのは、片桐さんしかいないんです。……良い形で、ご自身の人生と折り合いがつくことを祈っています」ある登場人物のセリフだけれど社会で生きていく以上、社会的な正しさや組織の正しさを無関係でいられる人はほとんどいない。組織と自分のなかでコンフリクトが起きるとき、自分の拠り所を持つことの大切さを示したいいセリフだと思う
