
エイミカ
@eimika49
2026年2月28日

駈込み訴え
太宰治
読み終わった
読書メモ
以前にXで流れてきた読者さんによる感想漫画のインパクトが強くて覚えてしまった作品。やっと原作を読めた。
とにもかくにもユダの感情が重い。今風に言うなら、クソデカ感情をこじらせてやがる、が適切か。
この手の重たさを書くにおいては、やはり太宰治は卓越したセンスの持ち主だなと思う。この内容だけで約1万5千字も書ける筆力に仰天。
なにより凄いのは、読む端々でユダの方にも問題があるように感じられるのに、どうしてだか彼に強く同情したくなる点だ。読んでいる内に、どんどんユダ側に気持ちが寄っていく。ちょっと怖いまである。
しかしよくよく考えると、同年代で自分より秀でている者が身の回りにいると思うと、人間これぐらい感情の荒れ狂いを覚えるものではなかろうか。隣の芝生は青いじゃないけど。
くわえて、それなのに相手のことを嫌えない、慕っているともなれば、もう感情のぶつかりあいだ。心が2つある〜。
なんというか、創作歴史ものに見えて、その実人間誰しもが持つ可能性がある感情について語った小説になってるんじゃないか。だから思わず同情したくなるのではないか。
「他人事じゃないぞ。お前にもそういう心があるだろ」と言われた気持ち。
でも嫌いじゃないね、そういうの……。