
花春
@haru-tuge
2026年3月1日

オークの樹の下(1)
Kim Suji,
千景
読み終わった
吃音由来で虐待されてた令嬢が、政略結婚相手に深く深く愛されて少しずつ成長する令嬢ロマンス。
主人公のマクシーが内気な既婚女性なのもあり、展開も地味で、想像よりも落ち着いて読めた。
コミカライズよりも登場人物たちが落ち着いてて、ロマンスファンタジーというより、地味なハーレクイン小説っぽいのかも。
内容の半分くらいセックスシーンなのだけど、「夫…奥さんのこと大好きなんだね…」と微笑ましくも苦笑いしてしまった。これ夫の部下も同じ心境なんだろうな…。
変に三角関係とかにならず、ヒーローにひたすらに愛されることで、怯え縮こまっていた令嬢が少しずつ成長して愛情を返そうと頑張る構図に振り切ってるのがいい。
マクシーは最初、夫の領地で完全にアウェイな状況で。領主の夫人として家政を取り仕切らなければいけないけれど、まともな教育を受けてこなかったために何もわからなくて。わからないならば助けを求めれば良いのだけど、出来なければ殴られ罵倒されるばかりだったから、役割を果たせないと失望されてしまう!と怯え、努力の仕方もわからないから八方塞がりになって、楽なほうに逃げたくなって…というマクシーの姿が痛々しい。
愛されずに殴られ続けたのは親が悪くて、彼女に何も罪はないのに、「親にも愛されぬ価値のない娘だと知られるのが恥ずかしい」と考えてしまう。
貨幣の計算が上手く出来なかったとき、「どれだけ大切に育てられてきたんだ」と呆れられて、何も言えずに口を噤むシーンは胸が痛かった。彼女は生まれてから大事にされたことなんてないけれど、そんなもの外からはわからない。
卑屈だけど素直で、庇護してくれる夫には懐いて頑張ろうとしてる姿を見て、領民たちが少しずつ彼女に心を開いて彼女の成長を助けようとしてるので、虐待児童が癒されて成長してゆくジュブナイルを読んでる気持ちになる。
吃音は環境によって変わるから、少しずつ変化があるといいね…!と応援しながら読んでた。
あと、ヒーローのリフタンは異教の下級騎士身分のため、言動も気性も荒い。翻訳文が丁寧で簡易な日本語なのもあり、その言葉の荒さが余計に強調され、「うちのお嬢様になんて口を!!」と、後方乳母面をしてた。
マクシーのことがとにかく好きで大事にしたい!絶対結婚したいからした!結婚したなら後悔させたくないから(生家でしていたような)贅沢もちゃんとさせてあげたい!危ないことしてほしくないから城の中から出ないで欲しい!ずっと抱いてたい!!と、言動がものすごくわかりやすい。愛が深くて幼い。
ただ、煌びやかな宝石よりも、お前が妻に見せたいと思って摘んだ野花や、大地を翔けるうつくしい馬のプレゼントを喜んだ意味をもう少し深掘りして考えて欲しい。彼女は大切になんかされてなかったんですよ!!
数ページに一回単位の小刻みな章立てはWEB小説っぽい。話の区切りが全然ついてないところで章が変わるので、書籍としては読みづらいかも? 細かく隙間時間に読むことを考えたらしおり挟みやすい!
2巻目以降はどう展開するのだろうか…。安定した環境で、少しずつマクシーのこころも成長して、リフタンに恋をしたらいいな…。