

ルフナ
@Ruhuna
古典純文学が好き
感想はあくまで私見なので悪しからず
- 2025年12月29日
春琴抄(新潮文庫)谷崎潤一郎読み終わった感覚メモ谷崎潤一郎にはまだ手を出していなかったので読んでみた。 まず読んでの感想は、非常に息継ぎのし辛い文章。 体感で、ここ読点打てるだろうと思う部分にさらに一文追加で詰め込まれているような気分になる。読者の読み易さなどを配慮しない形で書かれている。 全体通しての感想としては、一番最初にこれというのはどうかとも思うが、谷崎潤一郎はエロいという評判通りだった。直接行為の描写をしているわけではないが、情報だけこちらに渡した上で、余白をこちらに補完させる構造になっているように思う。春琴と佐助の秘め事は読者の内部で各々発生させられる。耽美とはこういうものかと腑に落ちた。 また、この話は春琴のサディズムと佐助のマゾヒズムが良くも悪くもうまく噛み合ってしまった結果のように思う。 現代のSM観だと、春琴には自身が見下している対象である佐助からの接触を望んでいるので、春琴の方にも「穢されたい」といったようなマゾヒズム的願望があるのではないかと思ったが、そうではなく、春琴は佐助のことを人以下だと見做し、佐助は春琴を神に近いものとして信仰してるのでは、とすると私の中で腹落ちした。が、そう考えると非常にグロテスクであるとも思った。 ただ、「この2人の関係を愛とは呼べない」とは言えないと思う。お互いがお互いを望んでお互いの望むものを与えあってお互いが満たされている。 ……その内情は、とても歪んでいるが。
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