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kiki415
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@kiki415
  • 2025年10月31日
    フォルケホイスコーレのすすめ
    フォルケホイスコーレのすすめ
  • 2025年10月31日
    多文化化するデンマークの社会統合
  • 2025年10月31日
    すべて真夜中の恋人たち
    All the lovers in the night Mieko Kawakami 『きみは赤ちゃん』『夏物語』に続き3冊目の彼女の本。 地元の図書館で見つけ、今回は英語で。 彼女の文体は英語と相性が良いと感じる。 東京が舞台なのだが 去年までその喧騒の中にいた人間としては 日本語で読むよりも英語で読んでいる時の方が 私の中のリアルな東京の輪郭が良い感じにぼやけて、主人公・冬子の心情に集中出来た。 その分、より、冬子の孤独と痛みが鮮明だった。 読後にふと、自分にとって本を読むことはどんな意味があるか?を考えてみた。 小さい頃から持っている「どうしても読みたい」の気持ちの後ろには何があるのか。 それは、私にとって片道切符のようなもの。 私はひとりが好きだ。 人との距離感がうまく掴めない時期が長かった。 でも同じくらい、人間が好きだ。 今まで出会ったどんな嫌なヤツも、じっと観察していると、ああ、ここだけは好きだな愛おしいなと思うものが見つかり、最終的には好きでも嫌いでもない存在になる。 大失恋の後なんかは、苦手な会社の先輩にもこの切なすぎる痛みが宿っているのかと想像しては 勝手に親近感が湧いたものだ。 本を読むという作業の中には 知らない人の人生と様々な感情が水のように自分の中に流れてくる感覚がある。私はそれを味わう。 そしてある日、本の中で出会ったような人と現実世界で出会い話をしてみようと、本の中での記憶を片道切符にして、会話を始めてみる。すると、良くも悪くも、その人は想像と全然違う人だったりする。 帰り道はその人との間に生まれた感情を両手いっぱいに抱えて、線路の上を歩いて戻ってくる。 勇気を出して話してみて良かったと思いながら。 その日一日を終えて眠りにつく前に 想像の世界と現実のそれとが溶け合って 体の中で強張っていたある一部分が少しだけ 柔らかくなっているのを感じる。 そういう優しさを、この本を読んでいて私は思い出した。
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