すべて真夜中の恋人たち
411件の記録
- みみっしゅ@mimishu_972026年5月20日読み終わったAudible 途中までは退屈で、挫折しそうになった。 けれど、完走して良かった。 ラストの聖とのケンカあたりから涙が出た。 私は冬子であり、聖でもあった。痛い。すごく刺さった。 途中までは冬子にイライラする気持ちがあったけれど、冬子の過去の話を知ってから、冬子の気持ちを考えるようになった。 人の本当のことなんて分からないし、分かってもらえるわけもない。読みながら、過去に出会ったたくさんの人達の顔が頭の中を過ぎていった。 なんで入江くんにこんな話できたのかって言うとね それは、入江くんがもう私の人生の登場人物じゃないからなんだよ。 文章が綺麗だから、Audibleじゃなくて文字で読みたかった。 今後人との関わり方が変わりそう。読んで良かった。
春夏秋冬@sakurelemon2026年5月15日読み終わった移動中に全て読み終わりました もうなんて言ったらいいのか…言語化が難しい… 悲しい雰囲気が多くて気分が沈んだけどラストでちょっと不安復活しました


Bunka@cosmos_n2026年5月14日読み終わった@ カフェ誕生日には夜の散歩。特別な夜。 特別な人との出会い。別れ。 すべての世界観がすてきで好きだった。 chat GPTに「村上春樹のアフターダークが好きなら」とお勧めされて、せっかくならと思って読んでみたら川上未映子さんの世界観に引き込まれてしまった。 眠れない夜に、電車のお供に、カフェ時間にと最近の私の生活に寄り添ってくれた本だった。







Hürrem@sleeping-beauty2026年5月8日読み終わった恋愛ぽいの読みたくなって一気読み。静かな空気感漂う。でも少し苦しい。人との関わり方が不器用な女性のお話し。光を見付けたかったんだな、でもうまく掴めなかった。切ない。


綾鷹@ayataka2026年4月30日34歳の孤独なフリー校閲者・入江冬子が、年上の男性・三束(ミツツカ)さんとの出会いと恋を通じて、光のような「確かな自分」を手に入れるまでを描く物語。 強く胸に残る物語だった。 主人公の不器用さ、自信のなさ、孤独感、何かに縋りたくなる気持ちには、自分も思い当たる部分があって切なく。。 ずっと受け身の主人公が、三束さんに対してだけは不器用にも想いを伝えていく姿には胸が詰まる。 三束さんの真実も、2人の結末も切ない。 孤独な者同士だからこそ引き寄せられたのに、、と思ってしまう。 それでも、自分の気持ちに向き合って、行動して失敗して折り合いをつけて...という過程がなければ、自己を発見することはできないのだなぁ。それが苦しい作業だとしても。 ・黙って仕事をすればするほど、長く勤めれば勤めるほど、居心地が悪くなっていった。頼まれた仕事をいっさい断らないで、しめきりに一度も遅れたことのないのもよくなかったのか、良い人ぶるのに必死だよね、ここ以外に行く場所ないから必死だよね、あの人って何が楽しいんだろうね、と入社したばかりの十歳近くも年下の女の子ふたりがわたしのことを話しているのを偶然に耳にしたこともあった。でも、わたしはいつもよくわからなかったのだ。何をどう楽しんでいいのか。断りたい仕事があっても、それをどんなふうに断るのが正しいのか。考えれば考えるほど、最後にはいつも自分の気持ちのようなものがわからなくなって、それで行動を起こせないままにやってきただけだった。ほかに行くところがないということも、じっさいに何も楽しみがないというのも、彼女たちの言うとおりかもしれなかった。 ・「わたしはね、信頼できる仕事をする人がすきなの」しばらくして、聖が言った。 「信頼?」 「そう。信頼」そう言うと聖はうれしそうな顔をして笑った。 「それはね、信用っていうのとはまたちょっと違っていてしなんていうのかな、読んで字のごとく、まあ、頼れるところがある、ってことなんだけど」 わたしは肯いた。 「信用っていうのは、信用貸しとかいう言葉もあるくらいでさ、この人とは利害が一致するなと思ったらしつまり、人って一方的に用したりしなかったりすることができるじゃない。 だからそこには相手がいない感じがするのよね。つまりいったん信用したとしても、何かのちょっとした加減で、そんなのいつでも信用できなくなることもできるっていうか」 「うん」 「その意味では、信用なんてたいしたことじゃないのよ。ちょっとした都合や風向きで簡単になかったことにできるものなのよ。でもね、言っていうのはわたしにとってそうじゃないのよ。信用と信頼は、ちがうの。信頼したぶん、わたしも相手に、何かをちゃんと手渡しているって、そういうふうに感じるの」聖はそう言いながら耳のうしろを掻いた。 「そして、ひとたびその相手を信頼したら、その信頼は消えることはないのよ」わたしは黙ったまま聖の言葉に肯いた。 「そういうものなの。それでね、わたしが信頼するのは、すきとか恋愛とか、愛とかしそういうところから出発するようなものじゃなくて、まずその人の仕事にたいする姿勢であるってことなの」 「仕事の姿勢?」わたしはききかえした。 「そう。姿勢。仕事にたいする姿勢よ。そこにはね、その人のぜんぶがあらわれるんだって、そんなふうにわたしは思ってるところがあるのよ」 「それは、真面目さとか、・・・・・そういうの?」とわたしはきいてみた。 「そうね」と聖はちょっと考えるようにしてすこしのあいだ天井のほうをみつめてから、何度か昔いた。「平たく言えば、そういうことかも知れない。仕事ってね、それが家事でも、スーパーのレジ打ちでも、たとえばディトレードでも肉体労働でもなんでもいいの。種類でもなければ、結果を出すとか出さないとか、そういうものでもないの。結果なんて運もあるし、そんなものいくらでも変わるもの。他人なんていくらだって言いくるめることはできるし、ごまかすことだってできるしね。でも、自分にだけは嘘はつけないもの。自分の人生において仕事というものをどんなふうにとらえていて、それにたいしてどれだけ敬意を払って、そして努力しているか。あるいは、したか。わたしが信頼するのはそんなふうに自分の仕事とむきあっている人なのよ。こう言っちゃうとなんだかまるきり時代錯誤の馬鹿みたいなんだけど、わたしはそう思ってるところがあるのよ」 ・隣のビルの看板や外壁や窓がうっすらとむこうにみえ、そのうえに、かすかに青味がかって浮かびあがっているわたしは、なんだかとても哀れにみえた。それは可哀想なのでもなく、みすぼらしいのでもなく、哀れという言葉がいちばんぴったりとしているそんな姿だった。雑多なものがすこしずつ映りこんでいるガラス窓に重なっているのは、そんな女の人だった。頭の輪郭のあたりには東ねきれなかった後れ毛や短い毛が散っていた。だらりと肩がさがり、目のまわりは落ちくぼみ、足も手も短くて首だけがいやに細長くみえた。鎖骨や喉のあたりには筋が浮き、張りどころか肉がごっそりと落ちて頼には変な斜線が引かれているみたいだった。そこに映っているのはカーディガンに色あせたジーパンをはいた三十四歳のわたしだった。ひとりで、こんなに天気のいい日に街へでても、どうやって楽しめばいいのかもわからない、哀れな女の人だった。そして、みんなが無視するか受けとってもすぐに捨ててしまうようなものでぱんぱんに膨らんでいるバッグだけを大事そうに抱えていた。 ・「三十四年というのが長いのか短いのかはわからないけど」と聖は言った。「生きることにこっというものがもしあるとするなら、それはやっぱり全面的には深刻にならないことよね」 「全面的に?」 「そうよ。もちろん生きてるからにはどこかで深刻さを引き受けなきゃならないことはたしかだけど、でもそれはある部分だけにしておいたほうがいいと思うのよ」 ・「すきだけじゃなくてね、わたし、自分の感情のことが、そもそもよくわからないところあるもの」と聖は言った。 「感情が?」 「そう。これっていつからなのかなあ。もう思いだせないし思いだす気もないんだけど、感情とか気持ちとか気分とか!1そういったもの全部が、どこからが自分のものでどこからが誰かのものなのか、わからなくなるときがよくあるの」わたしは空になったビールの缶に口をつけて、へりを軽く噛みながら聖の話をきいた。 「・・・・・なんだかね、たとえばさ、うれしいとか悲しいとか、不安とか、色々あるじゃない。テレビみて面白いなあとか、エビ食べておいしいなあとか、なんでも。でもね、そんなのっていつか仕事で読んだり触れたりした文章の引用じゃないのかって思えるの。何かにたいして感情が動いたような気がしても、それってほんとうに自分が思っていることなのかどうかが、自分でもよくわからないのよ。いつか誰かが書き記した、それが文章じゃなくてもね、映画の台詞でも表情でもなんでもいいんだけど、とにかく他人のものを引用しているような気持ちになるの」 「引用?」 「うん。自前のものじゃない感じ」「それは、実感がもてないということ?」 「ううん。それとはちょっと違くて。実感があるから、これがあほみたいなのよ」と聖は言った。「ひとそろいの実感も手応えもあるから、混乱するのね。でも肩じきれない。だからいったいこれはなんなんだろうって、何か思ったり感じたりするたびに、そんなあほみたいなことを思うのよ。感情みたいなのが動くたびに、白々しいような気持ちと自分が何かに乗っとられてるような気持ちになって1気がついてなかっただけで、じつは物心ついたときからわたしが生きてきたって思いこんでいるものは、しょせんそんなものだったんじゃないのかって、まあそんなふうに感じるってことなのよ」 わたしは肯いた。 「だから、この『しょせん何かからの引用じゃないか、自前のものなんて、何もないんじゃないのか』っていうこの気持ちも、やっぱりどこかからの引用じゃないかっていうような気がしていて、まあ、なんかいろいろ、だめなのよ」聖はそういうと声をだして笑った。「だから恋愛とかね、それにむから唯一の武器であるような感情がそもそもそんなぐあいだから、もう基本的に土台がぐらぐらなわけ。そんな状態で誰かと深刻に関係をむすぶなんてことは不可能よ」 ・「ひと言でいうと、あなたみたいな人はああいうタイプの人に、自分を正当化するための道具にされちゃうのね。彼女みたいな人は自分の生きかたや考えかたをまわりの人に認めさせるだけじゃ満足できなくて、それを日々強化しつづけないと気が済まない人なのよ。ほら、そうじゃなくても人って自分の考えとかさ、言葉にするとさ、なんだかいっきにその気になっちゃうとこってあるじゃない。相談ってさ、あるじゃない。みんな相談するじゃない、よく。でもあれって何も誰かの意見をきいたり参考にしたいわけじゃ全然なくて、自分の思ってることとか状況とかをさ、とりあえず言葉にしたいだけなのよね。だから何にも解決しないでしょ、人に相談したところで。解決した人生相談なんてあなたみたことある?言葉にしちゃったせいで自分のなかで問題がひとつ増えるかよけいに複雑になるか、そんなのどっちかしかないじゃない。だからね、石川さんはスポンジみたいにものを言わない、ただ黙って色々と吸いとってくれる人をうまく使って自分のある部分を補強しつづけているの。彼女はそういう種類の人間の典型で、単に自分の立派な理想とか考えかたを人にきかせることによって、それを日々逞しくして、悦に入ってるのよ。でもみんなもそんなのに付きあってられないじゃない。忙しいんだし、いい大人なんだし。石川さんの野心とか都合とか、そんなの知らないし。だからみんな離れていっちゃうのよね。ーでもね、彼女からみんなが離れていっちゃうのは彼女の性格の問題だけなんじゃなくて、なんていうのかな、彼女は自分が恵まれているってことに気がついていないせいなのよ。みんな自分とおなじ条件でスタートしてるってそう思ってんの。彼女は自分の努力や向上心だけでうまくやれてるってそう思ってるのよ。でもね、わたしからしたら完談じゃないと思うところもあるわね。はっきりものを言える子もいれば言えない子もいるわよ。そんなの当然じゃないよ。これは石川さんに限ったことじゃないけれどね、ああいう上機嫌な女の人たちが、ある意味で女を追いこんでるのよ」「追いこんでる?石川さんが?」とわたしはききかえした。 「そうよ。男にも同僚にも、みんな石川さんくらい仕事もしながら外見だって女おんなして、そうすることも仕事のうち、みたいな感じに思わせちゃってるのよ。あんなふうにまわりに媚びてないって思いこんでる彼女みたいなタイプこそが、じつは結果的に媚びてることになってるってことに、気がつかないの」 ・わたしはこれまで、何かを、選んだことがあっただろうか。わたしは両手のあいだに置かれた携帯電話をみつめながら、そんなことを思った。この仕事をしているいまも、ここに住んでいることも、こうしてひとりきりでいるのも、話すことのできる人が誰もいないことも、わたしが何かを選んでやってきたことの、これは結果なのだろうか。 どこか遠くのほうでカラスの鳴くのがきこえ、わたしは窓のほうをみた。それから、何も選んでこなかったのだと、思った。 大学も、担任に勧められるままに受験して、会社にもなりゆきで入り、それからその会社を辞めたのだって、ただそこにある面倒から逃げただけのことだった。フリーになれたのも聖があれこれとお膳立てしてくれたからだった。わたしは自分の意思で何かを選んで、それを実現させたことがあっただろうか。何もなかった。だからわたしはいまこうして、ひとりで、ここにいるのだ。 でも、とわたしは思った。それでも目のまえのことを、いつも一生懸命にやってきたことはほんとうじゃないかと、そう思った。自分なりに、与えられたものにたいしては、力を尽くしてやってきたじゃないか。いや、そうじゃない。そうじゃないんだとわたしは思った。わたしはいつもごまかしてきたのだった。目のまえのことをただ言われるままにこなしているだけのことで何かをしているつもりになって、そんなふうに、いまみたいに自分に言い訳をして、自分がこれまでの人生で何もやってこなかったことを、いつだってみないようにして、ごまかしてきたのだった。傷つくのがこわくて、何もしてこなかったことを。失敗するのがこわくて、傷つくのがこわくて、わたしは何も選んでこなかったし、何もしてこなかったのだ。 ・三束さんは何も言わず、黙ったまま、わたしの涙が収まるのをじっと待ってくれているみたいだった。どこかそんなに遠くないところを車が走り去ってゆく音がきこえた。わたしは手のひらであごにしたたった涙をぬぐい、目をこすり、それから手のひらで顔を覆い、それからまた泣いてしまった。三東さんは、わたしがにぎっていないほうの手を、わたしの頭のてっぺんにのせた。手のひらの熱がゆっくりと肌に伝わってくるような気がした。わたしは頭のてっぺんに三東さんの手のひらをのせたまま、わたしの誕生日を、一緒に過ごしてくれませんか、とほとんど鳴咽まじりの声で言った。真夜中を、一緒に過ごして、一緒に歩いてくれませんか。 それからふたりで一緒に、あの曲を、一緒にきいてくれませんか。わたしは泣きながら、三東さんにお願いした。頭のうえの手がゆれたので目をあけて三束さんをみあげると、三東さんがわたしの顔をみて、何度も肯いているのがみえた。すこし、微笑んでいるようにみえた。わたしはそれをみて、両手で顔を覆って、今度は声をあげて泣いた。 ・わたしは泣きながら、頭のてっぺんに手を置いてみた。手のぬくもりはもう、どこにもなかった。三東さんはわたしのことを覚えているだろうかと、そんな言いようのない不安があとからあとからこみあげてきた。わたしは目をぎゅっと閉じて、記憶のぜんぶをゆりうごかして、三東さんにすこしでもふれているものをありったけのちからで追いかけた。駅の角からもどってきてくれた三東さん、ちょっと照れたように笑った三東さん、光のことをきけばいつだって、いつまでだってわたしに教えてくれた三東さん、息をするのが苦しかった。たくさんあったうれしいこと、つまらないわたしの話をいつだって肯いてきいてくれた三東さん、背かっこうも、歩きかたも、考えかたも、しゃべりかたも、着ている服も、冬の匂いも、もう何もかもが、ほんとうにすきで仕方なかった三束さん、わたしは三東さんのことをほんとうには知らないかもしれないけれど、三東さんもわたしのことを何も知らないまま、何も始まらずに、こうして、こうして終わっていってしまうんだということ、話せばたのしいはずのこと、やまほどあったはずなのに、会わない日が増えるにつれて、やがてわたしはそのひとつひとつを必ず忘れていってしまうだろうということ、不安や予感や、後悔や、ありがとうという気持ち、もう過ぎ去ってもどらないことがつぎからつぎにまざりあって体中を駆けめぐり、わたしは膝を抱えて泣いた。ねえ、ちょっと、泣かないでよ、と聖が小さな声で言った。それからわたしのそばに来て、聖はおろおろとわたしの腕をさすった。わたしは黙って首をふりつづけた。違うの、と言ったけれど、それは声にならなかった。聖はどうしていいかわからない顔をして、ごめんなさいと謝った。連絡がとれなくなって、どうしちゃったのかと思って、心配で、でも腹も立っていて、でも、こんなひどいことを言うつもりじゃなかったのに、ごめんなさい、ごめん、と言って床に座りこんで、わたしの腕をさすりつづけた。あんなひどいことを言うつもりじゃなかった、と言って聖は泣いた。わたしは違うの、と言って、あなたは何も間違ったことを言っていない、わたしが悪いのと言って、わたしの腕をさする聖の腕をさすった。聖は、違うの、わたし意地悪になって、いつもこうなってしまうの、それでいつもだめにしてしまうの、何もかもがだめになるの、あなたにも、ひどいことたくさん言ってしまった、言わなくていいことまで、そんなつもりのないことまで言ってしまった、と言って顔をぐしゃぐしゃにして泣いた。わたしは、わかってる、わかってるからと言っていて泣き、聖は、わたしのことなんて何も知らないくせにっていうかもしれないけど、それはそうかもしれないけれど、でもわたしはあなたを友達だと思ってるの、と涙と鼻水がいっぱいに広がった顔を歪ませて声にならないような声で言った。わたしは肯いた。あなたのことをもっと知りたいと聖は言った。あなたのことをもっと知って、わたしはあなたの友達になりたいと聖は泣き、わたしは椅子から崩れるように床におりて、聖の指さきをにぎって、泣きながら何度も肯いた。 ・そんなふうにして春が過ぎ、夏がやってきて、一日は何度でも夜になり、朝を迎え、知らないうちに秋は深まり、やがてまた冬が巡ってきた。わたしはいつのまにか、誕生日の夜だけではなく、ほかのなんでもない夜でも、それから昼でも、朝でも、家をでて散歩をするようになった。なんでもない光のなかを、あの夜とおなじような気持ちで歩くようになっていた。朝や昼間のおおきな光のなかをゆくときは今も世界のどこかにある真夜中を思い、そこを過ごす人たちのことを思った。ひとりきりの夜を、ひとりきりの真夜中を過ごす人たちのことを思った。わたしは三東さんのことを思いだして息を止め、ふたりで話したことを思いだし、とてもすきだったことを思いだし、ときどき泣き、また思いだし、それから、ゆっくりと忘れていった。 家に帰ってコップを洗い、アルミホイルやビニル袋をまるめてゴミ箱に入れてテーブルのうえを固くしぼった布巾であいて、しばらくぼんやりと時間を過ごし、わたしはふと思いたって引き出しからCDプレイヤーを取りだして、イヤホンを耳に入れて再生ボタンをそっと押した。記憶が波うち、懐かしさが目のまえにいっせいにあふれだして、わたしは息を止めた。これ以上それがわたしのなかになだれこんでこないようにぎゅっと目を閉じ、この曲をきくのはこれで最後なんだと思うと何度でも胸が痛んだ。でもそれはもう、遠くにある痛みだった。一日ごとに薄まり、忘れ、やがて消えてしまう記憶のなかにある痛みだった。ひとつひとつの音を指さきで抱きしめるように、時間と記憶にしるしをつけるように、わたしは目をつむった。 夢のようなきらめきの連なりを辿り、最後の一音が去ってしまうと、わたしはゆっくりと目をあけた。
めり@meri_book2026年4月6日読み終わった他者とあまり干渉せず、自分の中で完結させる我が身がかわいい生き方。 その人の物語の登場人物でない人に自分のどうしようもない現実の本音を言う人。 いやにリアルで、三束さんとの関係もどうなっていくのか気になって、物語に引き込まれた。






- かぼちゃダッシュ@kabotya2026年4月5日読み終わった大人しい女性の、歳の離れた大人しい男性との恋物語。大きなイベントはなく、淡々と親密になっていく。お互い大人だから、その別れすら、淡々としていた。私の抱いた素直な感想は、三束さんはクズだなと思った。もう少し大事にしてあげてほしかったなぁ。

わかめうまお@nakazawarp2026年4月1日読み終わった自分が思っているよりも自分を閉じ込める殻は分厚い。 そして一度殻を破れば人は強くなれる。 自分の意思で歩みだすまでのほろ苦い失敗と乗り越えてからのまばゆさが美しい。

瑠璃@hinageshi2026年3月23日読み終わったいろんなひとの感想を読みましたが、刺さるひととそうでないひとがはっきり分かれる作品のようですね。私は刺さりすぎて、夢中で読み終えてしまいました。 どちらがいいとか悪いとかいう話ではなくて、冬子のような生き方をしたことがあるか、ないかの違いなのかなと思います。


- ruru@ruru_12026年3月17日読み終わったあまり意志を強く持たずに生きてきた主人公が、はじめて「人を好きになる」という感情を知り、不器用に歩き始める。 美しい文体と、目を逸らしたくなるようなことも詳細に描かれ続ける内容のギャップに段々と引き込まれていった。 グサグサと刺さるような、どこか本質をついた言葉の数々も印象的だった。 自分の感情も、感想も、どこかの何かの“引用”なのかもしれない。 どこまでがほんとうの私の気持ちで、どこからが引用なのだろう。 いまこうして出力している言葉も、私がこれまで生きてきた中で出会った言葉たちで構成されている。 どんなときでも、覚えてきた「感情を表す言葉」の中から一番近いものを選び、私は自分の気持ちを言語化し、認識している。 この世に存在している言葉を当てはめて定義づけた時点で、それは「オリジナル」とは言い難いのかもしれない。 それでも、ここに生まれた“その感情”は、その人だけの、私だけの唯一無二のかけがえのないものでもあるはずだ。 言葉の持つ力は強い、と私は思う。 だからこそ、言葉で定義づけたものたちは、いい意味でも悪い意味でも、その言葉が持つ意味に引っ張られてしまうこともあるのかもしれない。 この作品を読んで、いままでより少しだけ丁寧に、そして慎重に、自分の中に生まれたあらゆる感情と向き合ってみたいと思った。 作中にたびたび出てくる「光」の表現も、とても魅力的だった。 こんどの冬になったら、真夜中の光を感じながら外を歩いてみたい。 そして日常に存在するさまざまな光を、もっとちゃんと見てみたくなった。 真夜中を一緒に歩きたくなるような人。 そんなふうに思える人が、“好きな人”なのかもしれない。






しおり@Kaffee58882026年3月9日読み終わったううむ、なんかSNSですごく評判が高かった…気がしたので読んだけどあまり刺さらなかった…(最近こういうこと多く無い?一般的な書物が刺さらない人間なのかもしれないと危惧。) なーんていうか、ずーっと曇り空〜みたいな本でした。真夜中?というよりはどんより雨降るかなー?降らないんだ…みたいな感じ。私の所感ではね…。なんも進まないし、何かが劇的に変化するわけでもない、主人公が決断する気もない…と途中くらいから読むのがしんどかった。うーん、それでー?どうするのー?を聞かれても「うーん…」って悩んじゃう人の話…みたいな??? 多分刺さる年代があるんだと思う。








きん@paraboots2026年3月6日読み終わった読み終えた。 どうしようもないでこぼこした人たちの、どうしようもない人生。 側から見れば、どこにでもいる普通の人たち。 だけどそれぞれみんな抱える闇やしがらみがあり、ツルッとした平坦ではなくどこか曲がりくねった人生を歩んでいる。そしてそれはどうしようもなく不器用で触れ合えば傷つけあう、空回り複雑に絡み合う。が、人はたとえ誰かと一緒にいたとしても孤独であり、その孤独の中で自立していくことの必要性を描かれている気がする。 川上さんの描く世界はどこか透明で透き通り、静かな冬の空気が流れ、そして暗い闇の中を光が明滅している。光はそれぞれの人たちの命の光のようで、輝きを放つ。 本作はそんな人たちを通した人生讃歌のように感じてしまう。 一筋縄では行かない人生。それでも生きてゆくということ。読み終えてそんなふうに感じた。 追記 入江冬子はダメダメで、読んでて度々しっかりしろよと喝を入れたくなったが、その一方で、全てを読み終えてからプロローグを読むと、なんとも滋味深いなぁと感慨深くも感じてる。









きん@paraboots2026年3月5日読んでる入江冬子の、このダメさ脆さが自分の中のどうしようもなさを想起させて、なんだか読み進まなくて中断してしまうのだったなぁと、読んで読み進めながら今読んでるんだなぁということを意識しながら、そういうことを思ったりしている。 ちょうどこんなふうにもたついちゃう… みんな生きてると、それぞれ抱える闇やしがらみがあるが、川上さんの描くこの本のなかはなんだかツルッとしていて透明な感じがする。 白い陶器のような、水の入ったグラスのような…読んでいて傷跡みたいなものが残るあたりは、川上さん上手いなぁと思った(上手いという言い方が果たして正しいかどうかはわからないです








Matilde@i_griega_20252026年2月26日読み終わった川上作品はいままであまりピンとこなかったんだけど、これはよかった。 スラップスティックにこじらせていく人たちの典型を見ている感じ。 生きてゆくって、たとえ傷ついても人とは関わっていくことなのかも、なんて思った。
スズキ@su_1232026年2月24日読み終わったいつか仕事で読んだり触れたりした文章の引用じゃないのかって思えるの。何かにたいして感情が動いたような気がしても、それってほんとうに自分が思っていることなのかどうかが、自分でもよくわからないのよ。 わたしはこれまで、何かを、選んだことがあっただろうか。 それでも目のまえのことを、一生懸命にやってきたことはほんとうじゃないかと、そう思った。自分なりに、与えられたものにたいしては、力を尽くしてやってきたじゃないか。いや、そうじゃない。そうじゃないんだとわたしは思った。わたしはいつもごまかしてきたのだった。



松田茉莉@cotomato2026年2月24日買った読み終わったかつて読んだ単行本発売された時も買ってずっと持っているけど、映画化と冬の季節に読みたくて文庫も購入。 ひとつひとつのことばが本当に美しくて、冬子と三束さんの関係性もいとおしくて、再読したのは本当に久しぶりなのだけど読めて多幸感を味わえる。 すべて真夜中の恋人たちというタイトルが生まれるシーンに、胸がぎゅっと切なくなる。 川上弘美さんの『センセイの鞄』に並ぶ年上の男性との恋愛小説だと個人的に思っている。




®️@nktmryk2026年2月21日買った読み終わった大好きすぎて再読 みつつかという名前がもはや好きです 三束さんの話し方から言葉まで魅力的なんだけど容姿はどこにでもいるような普通のおじさんなのがいい 私の中で創られた三束さんにずっと恋してる 昔読んだ時ブクログに載せた感想読み返したけどおんなじようなこと言ってた。てか今より愛溢れてた。 今回は新婚旅行のオーストラリアにもついてきてもらいました 飛行機で少し読んだのも思い出
みっつー@32CH_books2026年2月19日読み終わった“時間が溶ける”という表現を耳にするようになったのはいつからだろう。 時間の溶け方を想像する。 冷蔵庫から取り出した氷のように、ゆっくりと、汗をかくように、だんだんとその身を小さくしていくのだろうか。 もしくは、火をかけたフライパンに砂糖を入れて、それが焦げると、茶色くなって別もののようになってしまうあれだろうか。 時間が溶ける。 サルバドール・ダリが描いた『記憶の固執』を思い出す。 「柔らかい時計」や「溶ける時計」ともいわれるこの作品は、ぐにゃぐにゃになった時計が描かれていて、ダリはこの絵に、死への恐怖や関心、硬さと柔らかさ、夢と現実の境界などのテーマを組み込んでいたらしい。 『すべて真夜中の恋人たち』を読み終えたあと、時間の溶かし方について考えた。 一般的にはパチンコや、スマートフォンでのゲームなどに触れる際に「時間が溶ける」といった表現を用いることが多いように感じるけれど、人は常に、時間を溶かしながら生きている。 仕事に打ち込む時間、本を読む時間、買い物に行く時間、子育ての時間、遊園地でアトラクションに並んでいる時間、カフェで友人と語り合う時間、好きな人といる時間、好きな人のことを考える時間。 それらの溶け方は、皆同じだろうか。 きっと人それぞれ違う。 氷のようにゆっくり、砂糖のように素早く、パスタを茹でる前に入れる塩のようにだんだんとざらつきをなくしたり、熱されたバターのようにジュクジュクと、早さも、溶け方も、それぞれ違う。 選んだ時間、選ばなかった時間、選んだ人の中で流れる時間、選ばなかった人の中で流れる時間。 成長や、個性という一括りにすることは可能だけれど、そう簡単に、自分の溶け方を変えることはできないのだと、そう感じた。 時間をかけて、私たちは今日も、私たちを溶かしていく。 それは、長い長い時間をかけて、命が尽きるその瞬間までに、色んな形を形成していく。 環境が変わって、溶け方が、変わる人もいるかもしれない。 どうにかこうにか折り合いをつけるけれど、それはまたそのときの話。 この読書体験が“時間を溶かした”ことのひとつだとするならば、とても最高なお湯加減だった。





Kitsune@kitsunetrp2026年2月16日読み終わった誰かを好きになった時の真夜中のなんとも言えない寂しさ、期待、虚しさが痛く染みる。でも光はいずれ消えてしまうというエピソードで、昼と夜を繋いでいるようでなんだか儚く美しくも見える。こんな恋愛の書き方があるんだなぁ
気の向くままに@n_1-1002026年2月15日読み終わった借りてきた痛みを伴った登場人物たちの言葉、しぐさ、情景描写に揺さぶられる。 いろいろなことを考えてしまう最近の脳みそでも、この小説の世界に浸れた。満足感。
a@cotone_aster2026年2月14日買った読んでる“どうしようもなく胸からこぼれ、ただすぐに消えてゆくしかなかった言葉よりももっとつよいかたまりを、わたしは三束さんにむけて放っていた。” 光のような恋の描き方が素敵。一旦さらっと一読してしまったけど、真夜中、光、夢の描写とその意味を考えながら読むともっと世界に浸れそうだなと思ったので、もう一周読まなくては。
数奇@suuqi2026年2月11日読み終わった10年ぶりに再読。当時まったく本を読まなかった自分が「小説ってこんなに面白いのか……!?」と衝撃を受け、今に至るまで読書がいちばんの趣味であり続けているきっかけの一冊。 今読むと、周辺の人物がやや露悪的に描かれすぎているように感じてしまったが(この10年で自分の気にする部分が変わっているのも面白い)それを差し引いてもやはり名作だった。 社会からの疎外感のなかで、人に恋をし、その人がたったひとつ光になることの尊さと苦しさがとても繊細な表現力で言葉にされている。恋の苦しさを追体験させられるような没入感で、読後の切なさは再読でもかなり食らった。





わかば@Wakaba_honyomi2026年2月6日読み終わった書き出しの一文がとても印象的。主人公の考え方や生き方に共感しながらも、聖の「楽してる」という言葉にうっとなったり…。登場人物はそれぞれ自分なりの正当性をもっていて、まあそういうもんだよなあと思う。三束さんは光みたいに優しくて柔らかいけれど、最後の最後まで本当に光みたいな人だったね。
ポー@marimaimei2026年2月5日読み終わった@ 自宅なんで典子は「入江くん」だったんだろう? が引っかかってモヤモヤ。 初の川上文学。美しい言葉遣いと表現で癒された。 聖の「深刻にならない」の話には私自身とても頷いたし1番響いた。 結局のところは、三束さんよりも聖を通して 主人公が自分を前よりも色付けた、そんなように感じた。 やっぱり人との関わりがあって、初めて自分という輪郭がぼんやりと見えてくる事をこの作品を通して勉強しました。 神聖な人ではなかった三束さんを、含めてまるっと 許容し生きていく冬子は、ただのヘタレとかじゃなくある意味の強さを持った女性だと思う。



🔖ぼう|読書記録@book_252026年2月3日読み終わった静かにひっそりと進んでいくお話🌝 主人公があまりにも不器用で、「大丈夫かしら?」と心配になりつつも、"自分が大事でこれまで何も自分で選択してきたものなんてないんじゃないか。その選択の結果が、1人で生きている今なんじゃないか。"と考える場面には、これまで少しも共感できなかった主人公との距離が近づいた気がしました。 私も大学に入ってから、高校生まで抱いていたチャレンジ精神とか熱い気持ちが嘘のように、自分が傷つかなそうな道ばかり選択するようになってしまって、その選択を自分でしつつも「これでいいのか」とモヤモヤする日々を長く送っていたので、少し主人公の抱く漠然とした不安や後悔のようなものに共感。 恋愛小説っていうよりかは、主人公の内面の深い部分に潜り込むような体験ができる小説のように感じました💫

カナデ@mochima32026年2月2日読み終わった私にとってはどこか童話の世界のような物語に思えた。冬子さんも聖さんも三束さんも自分の周りにはいない雰囲気の人たちだったのもあるかも… お酒のことを聞かれた三束さんの「人には、色んな事情があると思うので」という言葉が、心に残りました。優しい。もう少し深く読み込めたらいいなと思ったので、機会があれば読み返したい。

カナデ@mochima32026年1月31日読んでるなんていうか、思っていた感じと違う雰囲気…(いつも小説の内容はあまり頭に入れずに読み始める) 冬子さんがお酒を飲みまくっていて心配。聖さんは(心が)安定しているようで、実は高い位置で張り詰めているだけじゃないかと、こちらも心配… 三束さんが落ち着いていてホッとする。皆んなの幸せを祈りながら読んでる。



いぬを@_____on7222026年1月29日読み終わった映画化決定とのことで読みました。 主人公の入江冬子は、人付き合いが苦手で勤めていた会社を辞め、フリーランスの校閲者に。 日々の生活は、自宅で仕事をし、どこへ出かけることもない、いわゆる陰キャ。 仕事をふってくれる大手出版社社員の石川聖との関わりから少しずつ冬子の心境の変化が生じていく物語。 読んだ最初の印象は、人はみんな不器用なんだなってことです。 それは恋愛においても、仕事においても、生活すべてにおいてです。 もっと素直になればいいのに。 プライド、慢心、自己否定、引っ込み思案などその他いろんな感情が自分自身を苦しめる。 まさに恋愛の心境が描かれているものだなぁと感じました。 三束さんとの会話のテンポ感が(会話が続く時のリズム良い相槌や合間合間に生じる沈黙など)うまく表現されていると思いました。 川上さんの文章は、あえてひらがなを使ったり、句点をあまり使わずに一文を長くするなど、少し独特なところがあります。 そういう文章も作品に一風変わった持ち味を出しているのでしょう。 (好みが分かれると思いました。)









トラ@Toreads12342026年1月28日あらすじは、30代の不器用な女性が、仕事や恋、友人関係にぶつかりながら進んでいく、くらいの平凡な話なんだけど。だからこそ、文体や言葉選びや話の運びに唸らされる。主人公冬子の内省が多く、その不器用すぎる生き方に、こういう人もいるんだなと他人事として捉えていたけど、繰り返される内省の中に、刺される部分がありぐっと物語が迫ってきた。終盤、段落わけもしない、凄まじい勢いの文章。表記も展開も会話も、独特のリズムがある。感覚として、詩に近いのかもしれない。





夏の季語@natsunokigo2026年1月27日読み終わった二人の心が触れ合うシーンでは、アルゲリッチの「水の戯れ」の音に包まれているような感覚をおぼえた。読んでいて音がするタイプの読書体験は初めてだった。







- アネモネ@korino2026年1月26日読み終わった浅野忠信、岸井ゆきのというキャストで映画化されると知り購入。 閉ざしている主人公に投げつけられる無自覚で残酷な言葉の数々、実際口にはしなくても関係性としてリアリティがあった。 自分を解放していく物語






iram iram@booklover02142026年1月12日読み終わった再読すごく久しぶりに再読。終盤のクライマックスを読みながら、映画は『あのこは貴族』で女二人を緻密に描いた岨手由貴子が撮るんだったなと思い出した。タイトルから恋愛群像劇みたいなキラキラしたのを期待するときっと肩透かしに合う。


nica@nica2026年1月11日読み終わった書店で買った本2026年 7冊目読了 映画化されると言うことで 俳優さんが 浅野忠信さん、 岸井ゆきのさん 大好きな方達なのでそれをイメージして読んだ 評判ほども刺さらなかったかな これを映画にすると言うことは結構重い映画になるのかな と思った 三束さんが50歳過ぎと知って いやいや冬子と歳離れすぎてて冬子はいいかもしれないけど 三束さんはそこ気にしなかったのかな? と少し気になった
ジョルジオ・ポメラーニ@Giorgio_Pomerani2026年1月10日読み終わったあまり素直に恋愛小説としては読めない。うだつの上がらない過去と現在を持つ主人公がパッとしない中高年男性に恋をして当然に裏切られる。面白いといえば面白い小説なのだが、クラスのいじめられっ子の一挙手一投足を皆で観察してクスクス笑っているかのような後ろめたい読後感が残る。


つん。@tsunn6232026年1月7日読み終わったなんかふわふわした物語だった。途中冬子にも聖にも共感した部分はあったけど、クライマックスの理解ができなかった。なにより三束さんに求めたいものがきっとわたしとは違っていた。わたしが彼女たちの年齢に近づいたらまたわかるのかな。わたしはどう生きていくのかな ただ、心の機敏や様子の表現はすごく綺麗。理解はできないけれど手に取るように様子がわかる。だから読めた。 ・でもね、そんなのっていつか仕事で読んだり触れたりした文章の引用じゃないのかって思えるの。何かにたいして感情が動いたような気がしても、それってほんとうに自分が思っていることなのかどうかが、自分でもよくわからないのよ。いつか誰かが書き記した、それが文章じゃなくてもね、映画の台詞でも表情でもなんでもいいんだけど、とにかく他人のものを引用しているような気持ちになる。 ・わたしはこれまで、何かを、選んだことがあっただろうか。〜〜 それでも目のまえのことを、いつも一生懸命にやってきたことはほんとうじゃないかと、そう思った。自分なりに、与えられたものにたいしては、力を尽くしてやってきたじゃないか。いや、そうじゃない。そうじゃないんだとわたしは思った。わたしはいつもごまかしてきたのだった。目のまえのことをただ言われるままにこなしているだけのことで何かをしているつもりになって、そんなふうに、いまみたいに自分に言い訳をして、自分がこれまでの人生で何もやってこなかったことを、いつだってみないようにして、ごまかしてきたのだった。傷つくのがこわくて、何もしてこなかったことを。失敗するのがこわくて、傷つくのがこわくて、わたしは何も選んでこなかったし、何もしてこなかったのだ。

ゆうと@yuto072026年1月6日読み終わった「人からみればなんでもない夕方と夜のさかいめを、けれどもふたりでゆっくりときりひらいていくように思えてしまう青い薄暮は、つかのま、三束さんとわたしをおなじ色にした。」 「動くものと動かないもののあいだを満たしてゆくインクのような夜の濃さを、わたしはコーヒーカップに唇をつけたまま、ぼんやりと眺めていた。」
おしろい@00_neumond2026年1月6日買った読み終わったまた読みたい川上未映子の作品の中で1番読みやすく、1番好きな小説になった。ひらがな表記が多めだけど他の作品より気にならなかった。 主人公の心理描写を外側のモノの動き、音で表現するところや、真夜中、光のうつくしさを丁寧に述べている文章を純粋に素敵だと感じました。 映画化するようで、そちらも気になる。





はる@spring2026年1月3日読み終わった好きな一節 真夜中は、なぜこんなにも綺麗なんだろうと思う。それはきっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。光をかぞえる。夜のなかの、光をかぞえる。…… 昼間のおおきな光が去って、残された半分がありったけのちからで光ってみせるから、真夜中の光はとくべつなんですよ。 そうですね、三束さん。なんでもないのに、涙がでるほど、きれいです。
知的な人になりたい04@rniii2026年1月3日読み終わった知ってるとは思うけど、そういう人たちが傷つかないで安全な場所でひっそりと生きてられるのは、ほかのところで傷つくのを引きうけていて動いている誰かがいるからなのよ

S@YunhO3232025年12月26日読み終わったずっと気になっていた一冊。 なんとなくタイトル的にもこの時期に読みたくてやっとこの一冊を手に取り読了した。 わたしが勝手に想像していた話とはかなり違ったが、この一冊を読んだ後の外の世界の見え方はかなり変わるだろう。 最初の1頁目から綺麗な言葉が並んでいて、冬子と三束さんの会話はずっと見ていたい心が落ち着くような感じがした。 終盤に聖と冬子が言い合うシーンで泣きそうになった。 ✍️ "真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよ" "昼間のおおきな光が去って、残された半分がありったけのちからで光ってみせるから、真夜中の光はとくべつなんですよ。" "だって、こんなにも思いだせないものばっかりで、でも思いだせるものもあって、とつぜん思いだすこともあって、でも、思いだせないものがほっとんどで、でも、もしかしたら思いだせないことのほうにすっごく大事だったことがあったとしたら どうしたらいいんでしょう?" "ふれているということは、これ以上は近づくことができない距離を同時に示していることにもなるから。"






さゆり@happyoukai2025年12月25日読み終わったこの主人公は自分だ と思いながら読んだ人は全読者の何割程度いたのかを知りたい。 そして、川上未映子さんのような才色兼備で人が羨むような人がこのような主人公の話を書いた理由を知りたい。



北村有(きたむらゆう)@yuu_uu_2025年12月10日読み終わった映画に備えて。はーーーこれを岸井ゆきのと浅野忠信で観られるのか……生きるぞ…… 川上未映子の作品って『アイスクリームフィーバー』意外には映像化されてないのかな??もっともっとされてほしいなー この話のなかでもっともうるっときたのは、聖が冬子に酷いことを言ってしまって、いろいろ食らって冬子が泣いちゃって、それを見て聖も泣いちゃって、結果的にふたりで泣いちゃう終盤のシーン。好きだからこそ友達になりたいからこそ近くに感じていたいからこそ、相手をわざと傷つけるようなことを言ってしまうんだよな









- やま@TrainApproaching2025年11月24日読み終わった文体がすごく好きだった。 つらつらと語られる心理描写や、感覚が素敵だ。 特に、聖の心の吐露は心が痛くなった。 みんなそれぞれの生き方をしていて、間違いを繰り返し、傷ついて、何かを隠しながら生きている。 それでも美しい瞬間があって、それを閉じ込めたような本。
okabe@m_okabe2025年11月21日読み終わった恋をしている時の、いろんなものが綺麗に見えて、いろんなことが苦しく思える描写がとても繊細。冬子にも三束さんにも聖にも、同じ色の光が当たっていればいいなと思った。 来年の映画化が楽しみ。しかも岨手監督とのことで期待大。

445@00labo2025年11月16日読み終わった途中の不穏なアルコール描写が気になって気になって、うつくしい文章が半分も頭に入ってこなかった。 アルコールを飲まないと人に会えない状態は異常です。病院に行って。 半分を過ぎたあたりから、「これは村上春樹と同じで20代前半までのみずみずしく過敏で痛いくらいの感受性で読まなきゃいけなかったやつだ〜」と察した。文章はうつくしい。心理描写やそのイメージもすてき。だけど、主人公に対して「しっかりせい!!」という気持ちになりすぎて浸れない。 お誕生日祝いのくだりも、「そうじゃない!そうじゃないでしょ!?」と悶えていたので、あとから主人公が自分で気づいてくれてよかった。あなたが大事にしているものはあなたが大事にしてくれ。ほんとうに。 まさに村上春樹との共著があるっぽいので読みたい。



kiki415@kiki4152025年10月31日読み終わった@ 自宅All the lovers in the night Mieko Kawakami 『きみは赤ちゃん』『夏物語』に続き3冊目の彼女の本。 地元の図書館で見つけ、今回は英語で。 彼女の文体は英語と相性が良いと感じる。 東京が舞台なのだが 去年までその喧騒の中にいた人間としては 日本語で読むよりも英語で読んでいる時の方が 私の中のリアルな東京の輪郭が良い感じにぼやけて、主人公・冬子の心情に集中出来た。 その分、より、冬子の孤独と痛みが鮮明だった。 読後にふと、自分にとって本を読むことはどんな意味があるか?を考えてみた。 小さい頃から持っている「どうしても読みたい」の気持ちの後ろには何があるのか。 それは、私にとって片道切符のようなもの。 私はひとりが好きだ。 人との距離感がうまく掴めない時期が長かった。 でも同じくらい、人間が好きだ。 今まで出会ったどんな嫌なヤツも、じっと観察していると、ああ、ここだけは好きだな愛おしいなと思うものが見つかり、最終的には好きでも嫌いでもない存在になる。 大失恋の後なんかは、苦手な会社の先輩にもこの切なすぎる痛みが宿っているのかと想像しては 勝手に親近感が湧いたものだ。 本を読むという作業の中には 知らない人の人生と様々な感情が水のように自分の中に流れてくる感覚がある。私はそれを味わう。 そしてある日、本の中で出会ったような人と現実世界で出会い話をしてみようと、本の中での記憶を片道切符にして、会話を始めてみる。すると、良くも悪くも、その人は想像と全然違う人だったりする。 帰り道はその人との間に生まれた感情を両手いっぱいに抱えて、線路の上を歩いて戻ってくる。 勇気を出して話してみて良かったと思いながら。 その日一日を終えて眠りにつく前に 想像の世界と現実のそれとが溶け合って 体の中で強張っていたある一部分が少しだけ 柔らかくなっているのを感じる。 そういう優しさを、この本を読んでいて私は思い出した。
左雨@sassa_332025年10月20日読み終わった主人公が考え込んだり、登場人物がつらつらと語っているのが印象的で惹き込まれた感じがする。とても読みやすかった。 想い人に惹かれていく過程にとてもどきどきした。 いろんな生き方があって、生き方を貫いていくことも、変えることも難しよな〜という、ふんわりとした感想。


nessie@nessieayako2025年10月19日読み終わった身体感覚や視界にある情景を描写するときの言葉の選び方がやわらかくて鮮烈で、たびたびじーんときた。 恋愛小説である、と書かれているのをみて了承のうえで手に取ったわけなのだが、確かにすごく恋の話だった。 だけど、当初想像していたよりもずっと、恋以外の話でもあった。主人公のことも、聖のことも、わりとすきかもしれない。水野はなんなんだ。 またいつか読みたいし映画もみたい。



はるのひ@harunohinouta2025年10月19日読み終わった心に残る一節2年前に買って少しだけ読んで積読していた本。映画化されると知ってから手に取る頻度が増えてついに読了。長編小説を読めなくなって久しかったけれど、長編に向き合う筋力を取り戻せた気がする。恋愛小説を読んだのも久しぶり。 結末は予想外だったけど、好きな作品。どうしようもなくリアルだし夢のような美しさも感じるし、読んでいて冬子の気持ちが分かる部分もありチクチクと痛みも伴う。 「……みんながみんな、あなたの常識で動いてるって思わないでほしい」(P.337) 感性の違う相手から一方的にズケズケと否定されたり決めつけられたりした時に冬子が静かに発するこの言葉。すごく普遍的で当たり前のことだけど、この物語のこのタイミングで改めて言葉にされるととても強い光を放っていて、妙に感動してしまった。ここで救われる思いがする人も、ハッと気付かされる人も多いのではと思ったり。 心が本当にしんどい時に好きな人のことを思い出そうとする描写も、さっきまで目の前にいた好きな人の顔がうまく思い出せない描写も分かりすぎた。 映画も観に行きたいな。

nyannyaway@nyannyaway2025年10月11日読み終わった三束がクズでヘタレだった… 既婚なのにマッチングアプリで独身謳う💩男と大差ないメンタル。 取り返す機会があったとすれば、自身の嘘を告白した後に冬子に許しを乞うことだったのに。 それをやらなかったのはヘタレだから。 嘘つきなのにプライド高いから。 そんな三束に、冬子へ徹底的に酷いことはさせない、冬子に三束へ復讐させない… 川上未映子さん、ヘタレ男性キャラへ優しすぎませんか。

授受@mocca11042025年9月20日読んでるあらすじを特に確認せず、最初の数行で引き込まれるまま購入。ところでわたしが触れる作品、ことごとく登場人物が嘔吐してるんですがこれ何の因果なんですか?

かえらずの本棚@Nexus_vel2025年9月12日また読みたいこれぞ川上未映子という作品。ただひたすらに一人称に寄り添った地の文。衝動のままにページを繰る手が止まらないあの感覚がとにかく心地いい。何度でも読みたくなる。


恋の抜け殻@mokuyoubi2025年9月9日読み終わった聖さんの言葉刺さっちゃったな〜〜 触れたら汚れて割れてなくなってしまいそうな形容がとても綺麗で、一番付箋のついた小説になった気がする 言葉の正しさにこだわる入江さんが、最後に書き残す言葉が「すべて真夜中の恋人たち」、感情が優勢
perle@__frostnit2025年9月2日読み終わった究極の恋、最高の恋愛小説 と帯に書いてあった。私にはまだ、分からないことが沢山あった ぜんぜんわからなかった、良いとあんまり思えなかったのは、ひとついやなことがあると全部いやになってしまうからだろう わからない、わからない、対立はお終いだと思っているのだろうか、ハッピーエンドで終わらないこと がつらくて、所詮物語だけれど大事な物語たちに助けられて満たしてもらってきたのだと思った 希望が好きだから、希望が打ち砕かれてしまったものに触れると苦しい。歳をとると、見方も変わるのかな こわいことだな 楽しみなことでもあるな それでも怖い それでよかったって、冬子さんは思えたのかな わからないな
soyoco@soyoco06222025年8月28日買った読んでるドラマを見て、 主人公がおススメしていた本。 私も再読してみようと本棚から。 なんと、夫も買っており2冊ありました。 恋人って響きが、なんかいいです。



久保みのり|書店よむにわ@kubomisan2025年5月15日読み終わった@ 自宅いつもは引けるアンダーラインを、引けなかった読書。ひとつの物語、ひとつの人生としてとらえることしかできなかった。何度でも読み返すだろうなと思うから、読書メモもセリフの抜き出しもいらないのかも。素晴らしい本。



はるのひ@harunohinouta2025年5月8日読んでるまだ読んでる@ 電車新幹線の移動中に少し読み進めてる。 買ったのは2年前の冬、誕生日に出かけたついでに立ち寄った本屋さんで。当時一旦読み始めたものの、長編小説を読む筋肉のようなものが衰えていて(エッセイや短編小説は読める)、なかなか進まず(本を読む時間もなかなか取れず)…最近また読書欲が戻ってきたからとにかく隙間時間に手に取ってみる。
空白@shi_______ro_2025年4月18日読み終わったこんな純粋な気持ちにいつぶりに触れただろうってくらい、やわらかくてピュアで綺麗な物語だった。会わない時間、会えない時間でこそ気持ちって育つよね。
木村久佳@kuCCakimura2025年3月31日買った読み終わった男性は別フォルダに保存、女性は上書き保存…なんてよく言ったものですが、シス女性の私は間違いなく上書き保存です。ただいきなり上書き保存しちゃってぜんぶデータが書き換わるというよりは、劣化してどんどん読めなくなり、果ては内容を忘れてしまう、という感じの上書き保存です。 「あ、完全に忘れたな」と自覚するのは、付き合っていた人の誕生日を忘れたときです。


white bird@shiawasenina__re2025年3月9日かつて読んだ川上未映子さんにどハマりした作品 とても透明で、痛々しくて、でも素敵な日本語が溢れていてほんとーーーうに大好きです。苦しなってしまうからなかなか読み返せないんだけれど、誰かに純粋に恋をしたくなりますね。 2025.3.17 追記 なぜか呼ばれた気がして3日間という時間をかけて大事に大切に読み返した。胸が痛くなった。キューーーっと。取りこぼしていた大切な素敵な言葉が文章がたくさんあって、どこかに手書きで残しておきたい気分になったけれどもきっとまた読み返す時に見つけられるから取っておこう。と思ってやめた。その代わり、折り目だけつけさせていただいた。 読み終わった後みんなの感想を読んでみたりした。なんと言葉にしたらいいのか分からないけれども私は本当に本当にすきな作品なんだよなぁ。人生を共にしたい本です。

sankaku@ta____ki32025年3月8日かつて読んだ大人になって、より深く実感する。相手を知ること、ましてや、理解しようとすることは、不可能に近いほど難しいことなのではないだろうか。 人の性格や考え方、というのは、あまりにも十人十色で、そんなことはみんながわかっているはずなのに、どうしても自分を軸にしたくなって、その主張が誰かを傷つけたり、傷つけられたりすることがある。 誰かを大切に想うこと。その想い方や、関係の作り方も人それぞれだ。もちろん、幸せの形も。 忘れてしまいたい記憶と、忘れなければならない思い出は、真夜中に全部置いてこよう。 長い時間をかけて薄まった過去の全てが消えることは無いけれど、その分きらきらとした思い出は自分だけのために静かにしまって、また大切な思い出を、これからの時間に重ねていく。
- とうひ@ohirune_touhi2022年6月4日読み終わった深い、静かな、真夜中の物語 これが純愛。切なくて、胸が締め付けられて、涙が止まらなくなる純愛。 いつだって弱いのは好きになってしまった側で、どんな本を読んでもどんな人にアドバイスをもらっても他人の気持ちなんて変えることはできない。 三束さんはどんな時だって受身で、目の前で泣いていれば手を差し伸べるけれど、会いたくなったからと言って会いに来てはくれないし、心配だからと言って電話をしてきてもくれない。 離れるべきだと、自分が相手を想うほど相手は自分を想ってはくれていないと、心ではわかっていても離れられない。 あまりに残酷で、今すぐにでも本を閉じてしまいたくなるくらい切ない気持ちになって、気付いたら涙が出てた。 けれど頭に浮かぶ情景がなんだか美しくて、一気読みしてしまった。 “私はひとりきりの真夜中を過ごす人たちのことを思った。そして彼のことを思い出して息を止め、ふたりで話したことを思い出して、とても好きだったことを思い出し、ときどき泣き、また思い出し、それから、ゆっくりと忘れていった。”
- 天文@yubok11221900年1月1日読み終わったつらつらと文が書かれていて読みにくいのと、自分とは違う人間すぎて主人公に共感ができるところが少なくよみにくさを感じた。でも描写が細かく、言葉遣いも綺麗だったから情景を想像しやすかった。合わないタイプの本だけど内容はまぁ面白い。

愛@mirage_08k1900年1月1日買ったまだ読んでる紹介@ ブックカフェ チャイと選書 Chapters bookstore「この本を読むと夜がもっと静かになる」 「夜に眠る前に、ころがすように、少しずつ読んでみてほしい」 と選書していただいた本。












































































































































































































































































