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おた
@ota
  • 2024年10月19日
    密やかな結晶 新装版
    奪われることを受け入れるのが当たり前になっているとどうなるかという話と解釈。 あることを分かる者が分からない者に対してその価値を分からせようとする行為が、分からない者にとっては暴力的に感じられてしまい、相互理解に至れないというのを感じさせられた。 「わたし」が書く作中作は、奪ってくる相手が見えない作品全体のストーリー(秘密警察はいるが、消滅は「発生する」という消している主体が存在しないという書き方で、現実社会で人々を管理する主体の見えなさ、ロジックの分からなさを表していると思う)に対して、制約を課してくる相手との明確なミクロな関係性を描いている。奪われ、その相手の都合の良いかたちに「染み込んで」しまうと、そこから脱するチャンスがあっても手を伸ばさず、その状態を保全してしまうのが人間。 また作中作については、消滅を受ける「わたし」を表現しているが、途中、「わたし」がR氏をスポイルしていることを表現していると思わせるような展開もあった。R氏を庇護することで、哀れみを抱き、知らず知らずに支配的な力関係を持ってしまう。もちろん最終的には全てを奪われる「わたし」のことを指しており、助けを求めなかった作中作内の「わたし」に対して、R氏が扉を出ていくという表現になっている。 手足が消滅し秘密警察も機能しなくなるというのは、消滅を発生させる社会システムが自己破壊的であることを表現しているか。 途中までは、なんで消滅が起きるのか謎解き的なストーリーを求めてしまっており、不可思議なことが解決されることでのエクスタシーを求めてしまう自分の刺激ジャンキー的な部分に気づいて嫌になった。
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