密やかな結晶 新装版

39件の記録
- mooony@mooony2025年4月2日気になる記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。
- ありむら@arimuuu02112025年3月20日読み終わったR氏を床下に匿った時、「わたし」には少なからず高揚感があったのではないかと思う。単なる善意ではなく、それは小川洋子特有の「仄暗い歪んだ愛」の一種のようにも思われる。 しかし消滅の虚しさを共有できない2人の関係は近くとも遠く、最後の逆転的な場面は、本当に美しい。 「アンネの日記」を思い出す世界観、静かに進む物語。 「あなたの心を両手にのせて眺めることができたらどんなだろうって、時々想像するんです」
- 玄米@genmai2025年3月7日積ん読崩し@ 絵と本 羊雲そう広くは無い書店の書棚に密やかに3冊、バラバラの棚に忍ばせられていた本書。案の定スタッフさんの激推しだそう。積ん読崩しを誓って帰途につく。人に勧められると読みたくなりますよね。
- つのとしっぽ@horn_and_tail2025年3月6日かつて読んだ大切な本当たり前だと思っていたものがある日とつぜん消え去り、あったことすらも忘れて生きてゆく人々とすべてを憶えているひとが暮らす島の話。 友人が勧めてくれた、小川洋子さんが好きになったきっかけの一冊。繰り返し読んでいる大切な本。