『地雷グリコ』が良くて青崎有吾を読もうと思い『体育館の殺人』へ、面白かった〜。ちょっと肩凝ったけど、解説でもあったように「ロジックの連鎖は圧倒的というよりアクロバティックで、ネズミ花火よろしく四方八方へ弾け飛ぶ」ものだったから（その通りだと思った）、退屈な気分は微塵も感じさせない本だった。ミステリは全く触れてこなかったけれど、結構面白いのかもしれない。もうちょっと読んでみよっかな

キャラクターの心象風景がとてつもなく鮮やかだった。それが心理戦における戦略的思考の下敷きになっていることが、たんにトリック一辺倒で読まされている感じがしない理由なのかもしれない。もちろんトリックというか、「ゲーム」自体がユニークで、新規性もあるから面白く感じるのだろうけど。キャラクターの心象風景がこんなに鮮やかに描かれていることと、「相手の心を掴むこと」＝「相手を理解すること」が心理戦の勝利へとつながるような感覚は、核心を突かれたような、新鮮な気持ちになるものがあった。でもそこに深く入り込むこともなく、エンタメになってるのもすごく好き。