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ゆゆ
@yu_o0
  • 2026年4月8日
    スモールワールズ (講談社文庫)
    『ネオンテトラ』  光の反射で鮮やかになるネオンテトラは美和が価値を与え管理する対象であり、さらに、美和に輝きもたらす場所が水槽なのだと思った。美和は常に水槽の中のネオンテトラを管理していた。  子宝に恵まれない美和は未来の子供部屋にネオンテトラを飾っており、死んだら新しく買うなどの文面から、まさにそこは"水槽"であったのだと考えた。  子供を渇望しているにも関わらず、美和からは命を尊ぶ精神を感じられない。命を軽んじているというより、美しさで命を選別しているように見え、薄気味悪く感じた。  有紗と笙一に別の水槽(彼らの環境)を用意したのは、2人に光を与えるためのものではなく、メインの水槽(自分の環境)を整えるためであった。  美和にとって、人間関係や結婚、子供ですら水槽の環境調整であったのだと思った。  美和は子供を手に入れた途端、飾っていた(飼っていたとは言い難い)ネオンテトラをトイレに流した。「きれいでちいさい魚は、きれいな水の中にしかいないの」と言っている。ネオンテトラはトイレの中では輝かない。美緒という綺麗なものを手に入れ不要となった魚は、価値のない場所へと排除する様に冷酷さを覚えた。  お手入れされた水槽でなければ綺麗なものは手に入らないと捉えると、美緒が水槽の完成系なのではないか。美和は美緒を愛しているのではなく、美の完成系として維持しているように思った。  美和の行動は終始利己的にも見えるが、戦略的で合理的な選択であると感じた。
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