ずっとあった店 BARレモン・ハート編

7件の記録
勝村巌@katsumura2026年5月10日読み終わった新進の1人出版社、ことさら出版が酒と徘徊ライターのスズキナオとタッグを組んで出版した、ススキノの老舗バー店主へのロングインタビュー。 ことさら出版より数年後に発刊予定の『ずっとあった店』の一章として編まれるものの分冊版とのこと。 友田とんがハヤカワ書房から出版したガルシアマルケスの死に触発されて書かれた『100年の孤独を代わりに読む』という奇書がありますが、それは確かnoteでの連載を印刷して、全国の書店に営業して回って、それが出版社の目に留まり、その結果として大手からの出版に結びついたということがあります。 而して、面白いもの、オリジナリティのあるものには顧客がついてくるということなのでしょう。リトルプレスの可能性を考える時、示唆に富む、夢のあるエピソードです。 この『ずっとあった店』シリーズはそのように雑誌などの連載ではなくリトルプレスを積み重ねて一冊の書籍にまとめていく、という流れになっています。そらは僕としてはリトルプレスの正しい在り方のような気がしていて、応援したい気持ちでいっぱいです。 と、外側の話はそれくらいにして、本の内容は札幌ススキノで35年続くBARレモン・ハートの店主本村武さんへのロングインタビュー。 佐賀に生まれて東京を経由して、ススキノに流れ着いた本村さんの約60年間の夜の店での生活を丁寧に聞き取っていく。 ススキノの古いお店の名前が頻出するが、それが分かるという人はどれくらいいるのだろうか。 栄枯盛衰、盛者必衰。そこには時の流れに通底する強い無常感があるけど、今を生きている本村さんの生命感のある言葉に触れると、やはり毎日の生活の繰り返しの中でモチベーションを保ち続けてきたあくなきバイタリティを感じる。 若い頃女好きだったみたいな話もおおらかでいいです。ナンパの話とかも結構豪快で今風ではないけど、そういう昔話は嫌いじゃない。 本村さんはニーチェ的な意味で超人と呼んでももはや差し支えないのでは。 また、独学でカクテルを学びこれを供するスタイルも素晴らしい。カクテルの研究をしているメモの写真なども掲載されていたが、知恵と工夫の人なのであろう。 とにかくスナック屋台おふくろに引き続き、大変な面白さである。早く続きが読みたい。 僕のずっとあった店と言えば、青森県八戸市の市役所前にあったはんかくさい喫茶ぽんである。田中邦衛似の店主が長年営んできた。八戸の小劇場系の演劇のチラシなどがどわーっと貼ってある薄暗い喫茶店だった。 2021年に閉店して今は更地になっている。この前、八戸に帰った時にその跡地を訪れた。コンクリの基礎は残っており、間取りの跡が視認できた。壁がないとこのくらいのサイズだったのか、とその小ささに驚く。 ハムカレーのセットにアイスコーヒーが僕の定番でした。あのコーヒー。また飲みたいな。


ひゃらりこ@hyararico2025年11月29日読み終わったならBOOK回廊の「ことさら出版」のブースでお店番なさってた著者のスズキナオさんから買う。「ずっとあった店」シリーズの最初の「スナック屋台おふくろ」も良かったけど、2冊目の「BARレモンハート」の本村さんの人生にも惹かれますね。ナオさんは聞き上手やわあ。そして、ことさらさんはええ本出しはるわあ。信濃川さんの「日々書き描き」とこれ読んだら札幌に行きたくなりました。



