自己肯定感は高くないとダメなのか (ちくまプリマー新書)

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- ゆけまる@yukemar_142025年9月28日読み終わった読んでよかった。これぞちくまプリマー!って本。中高生が読むにもいいし、でも、特に後半は大人こそ読まないとって思う。 諸外国との比較において「日本の若者の自己肯定感が低い!由々しい!」ということの安易さ、的外れさをズバズバ切ってくれる。爽快ですらある。 その上で褒めることや個々の出来事で一時的に変動する自尊感情を「自尊感情」とみなすのはおかしいんじゃないか、自己肯定感って褒めたり安易な成功体験で簡単に上昇するものではないし、逆に嫌なことがあっても簡単に低下するものでもないんじゃないかって話が一番気に入った。自己肯定感は時に自己嫌悪したり叱られたりしながらもがいて生きる中で自然と高まっていくもの、っていうのはわかる気がする。小手先の話ではなくて、本筋を見極めないとっていうことなんだろうなって。全体を通して「安易さ」との戦いっていう側面を感じて、何だか今の自分に響いた。 子供が挫折する経験、傷つく経験を奪ってはいけないっていうのは、頭ではとてもよくわかる気がするんだけど、なかなか実際のところは難しいなぁって悩んでしまう。一方で、ありがちな「〇〇人の子育て法」みたいな話は背景としてる文化的スタイルに差異がある以上、話半分でもいいんだな、とか子育て目線で色々考えるきっかけになった。