村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する

村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する
村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する
小森陽一
平凡社
2006年5月11日
2件の記録
  • みゆわ
    みゆわ
    @miyuwa
    2026年1月11日
    『海辺のカフカ』や『ねじまき鳥クロニクル」などの長編を読んでいて、何かモヤモヤする感覚をずっと引きずりながら読んでいるのは私だけなのか?そんな疑問を持っている時にたまたまこの本を見つけ、この点に関する鋭い指摘を発見した。 (以下抜粋) p160「私は繰り返し『無媒介的結合』を批判してきました。なぜでしょうか。それは論理的かつ合理的な原因と結果をめぐる思考を停止させる働きがあるからです。つまり『海辺のカフカ』という小説は、小説テクストを読み進めている読者全員を思考停止させる機能をもっており、因果論的思考そのものを処刑する企てなのです。」 後半の企てに関する言及はやや言い過ぎに感じるが、「無媒介的結合」によって物語を進行させる手法に私も辟易していたところだった。この思考停止を楽しむべきなのだろうか。それにしては『海辺のカフカ』は「入り口の石」、「カーネルサンダース」、「2人の日本兵」等、何かしらの意味が付与された象徴的事物が多すぎる。これらのような「象徴されるもの」を一つひとつ紐解いていくと、この小説が処刑小説であるということがわかってくる。このような結論に持っていく過程が鮮やかで素晴らしかった。 また終盤では戦後の日本社会が抱える政治、歴史、思想についての著者の鋭い洞察と意見が述べられており、その箇所も読み応えがあった。女性を「精神のある人間として呼吸する女たち」として認識し、歴史を否定することなくこれからも生きていくことが今の時代にも求められる日本人の在り方なのだろうと強く感じた。
  • にしのブック
    @etfl
    2025年12月30日
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