王朝奇談集

王朝奇談集
王朝奇談集
須永朝彦
筑摩書房
2022年8月10日
4件の記録
  • はるにれ
    はるにれ
    @Elms1130
    2025年5月21日
    説話集は文句なく面白い。名だたる作家たちが短編の元ネタとして使うのも納得がいく。王朝奇談というだけあって、典雅な話も選ばれているけれど、私は騒々しい話に惹かれるみたい。 後半のお気に入りは、巻貝が食べられる直前に、たくさんの小さな尼の姿になって夢の中に現れ、「それぞれに泣き悲しみ、様々に掻き口説いた」という話。蛤が夢に現れた人もいるらしい。酒蒸しを作る時に、アサリが次々と口を開けていく様子を思い浮かべると、無数の尼さんが口々にしゃべっている姿と重なるかも。 貝は「生きたままのものを食うゆえに、斯様に夢にも現れるのであろう。無惨な事ではある。」と話は締めくくられている。説話集だからね。でも、活きのいい貝なんて、最近なかなか手に入らないから、尼さんたちがわーわー騒いでいる夢を見てみたい気持ちもする。
  • 汐入
    汐入
    @yogishaninotte
    2025年5月21日
  • はるにれ
    はるにれ
    @Elms1130
    2025年5月19日
    平安鎌倉時代の作品から編まれたアンソロジー。「今昔物語」のように有名な作品からあまり知られていないものまで幅広く17作品から82編が取られている。登場人物も皇族貴族の有名人から名もなき庶民まで多様。 あえて古い言葉や言い回しが使われていて、現代語訳というより編者が語り直した物語になってる。説明臭さがなく、古風な雰囲気がいい感じ。 今のところのお気に入りは、中国からわざわざ力比べに来た天狗がボコボコにされて、湯治して帰って行った話と、毎年たくさん取れていた平茸が取れなくなってしまった村で、実はその前の年に平茸たちが僧の姿で暇乞いに来ていたという話。平茸がお別れを言いに来たんだよ。義理堅くて、笑っちゃうよね。とにかく面白い。
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