羊の怒る時
9件の記録
ハルタ@haruta1272026年1月4日読み終わった関東大震災が起きたあとの3日間とその後を記録したルポタージュ小説。 特に2日目から朝鮮人に関する流言が聞こえてきて、街を歩けば自分が疑いの眼差しを向けられていく。その様が一人称で描かれていて生々しさが伝わった。なんというか、徐々に混沌に飲み込まれる様子が手に取るようにわかる。長い時間幅と内面をつづれる小説ならではの記録だと思う。 筆者は流言に疑いを持つが、それでも流言に囲まれ、学生の手にあったものが爆弾であったかもしれないとふっと思ってしまうと正直に書かれていて、この辺も重要な心の動きだと思う。 また、暴徒に囲まれるも自分が日本人だと証明できると、かれは安心というよりがっかりした顔をしたというところも文学ならでは。 いちばん心に残ったのは流言を耳にしていなかった朝鮮人学生が外に出るのを筆者が止められなかったシーン。彼は帰ってこなかった。






