大使とその妻 下
6件の記録
読書日和@miou-books2025年11月11日読み終わった大使夫妻は、なぜ軽井沢から姿を消したのか。 上巻読み終わって、タイミング良くすぐ別の図書館から順番回ってきたので一気読み。 ネタばれ含みますので、もし読もうと思っている方ご留意下され。 上巻をケヴィン編とすると、下巻は貴子(+篠田氏+北條夫人)編という感じ。 上巻の最後で貴子は日系ブラジル移民の2世であると明かす。日本の高貴な旧家育ちに見えるのに、意外な結末で終わり、下巻はその謎解き。 貴子自身の生い立ち、貴子の父の生い立ち(父は日本生まれで、両親の早逝に伴い叔父に連れられブラジルへ)、養父母となる山根夫妻。そして山根夫妻に引き取られてからの北條夫人との出会い、結びつき、篠田氏との出会いまで。 美しく聡明な貴子が貧しい生活から花開いていく様はまるで大河ドラマのよう。 日系ブラジル人であるがゆえに「ちゃんとした日本人」になることを望まれ、教育された貴子。でも「ちゃんとした日本人」とは。みんなの帰りかった日本とは。 上巻の最後も予想外の展開で驚きだったけれど、下巻も最後に畳みかけるような展開で読み終わってしばし呆然。 余韻の残っているうちに記録。
くんちゃん@soup00552025年7月3日読み終わった借りてきた下巻は大使の妻の生い立ちについて語られ、再び軽井沢の日々、そして最後に現在、という流れ。 大使の妻、貴子が軸となって話が進むが、貴子をはじめとして、大使、語り手、貴子に関係する人々の人柄が説明的ではなく、読み進んでいくうちに自然にわかってくる感じだったのでとても読み進めやすかった。 源氏物語、和歌、失われた時を求めて、の素養があれば(わたしはとりあえずの知識しかないけれど)貴子や語り手の喪失感についてもう少し深く読めたのかもしれないが、読んでいてわからなくて止まってしまうということは全くなかった。 充実した読書時間でした。



