脳の大統一理論

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ジクロロ@jirowcrew2026年2月16日読んでる一般に正確なモデルほど複雑になることから、正確さと複雑さの両方を同時に達成することはできず、実際には両者のバランスが重要である。 アルベルト・アインシュタインは 「何事もできる限り単純化しなければならないが、必要以上に単純化してはならない」 という言葉を残している。 フリストンは、自由エネルギー原理ではこのバランスが自動的に調整されると主張している。 (p.90) 並行して読み返している『共同幻想論(改訂新版)』の「角川文庫版のための序」に、著者である吉本隆明のちょっとした困惑が記してある。 「もともとひとつの本は、内容で読むひとを限ってしまうところがある。これはどんなにいいまわしを易しくしてもつきまとってくる。 また一方で、著者の理解がふかければふかいほど、わかりやすい表現でどんな高度な内容も語れるはずである。これには限度があるとはおもえない。 そこで著者には、この内容に固執するかぎり、どうやってもこれ以上易しいいいまわしは無理だという諦めと、この内容をもっと易しいいいまわしであらわせないのは、じぶんの理解にあいまいな個所があるからだという内省が一緒にやってくる。 この矛盾した気持のまま、いまこの本を読者のまえにさらしている。」 (p.5) そんな吉本隆明に、 「フリストンの自由エネルギー原理どおりやれてるし、アインシュタインも味方してくれてるか大丈夫だよ!」 と励ましてあげたいなと思った。
ジクロロ@jirowcrew2026年2月13日読んでる自由エネルギー原理によれば、その答えは「人間は世界に関する不確実性の最小化を目指して仮説を立てる」である。脳は、世界で起きる現象の特性を表すさまざまな生成モデル(仮説)を作り、その生成モデルが正しいことを示す証拠をかき集めようとするのである。ある哲学者はこのことを「自己証明する脳」と呼んでいる。 (p.84) 「世界に対する不確実性の最小化」 文面からすると、「自由」という言葉とは程遠い気がするが、エネルギー全体に対する「最小化」と捉えると、自由に使えるエネルギーの最大化ということになる。 著書では「確実性の最大化」とは表現しない。 「世界の確実性」こそが「不確実性」に他ならないからだろうか。 確実な世界とは死物であり、そこに自由もエネルギーも、概念として不要となる。 不確実な世界であるからこそ生きているのであり、自由とエネルギーという概念の重要性が増す。 「生成モデルが正しいことを示す証拠をかき集めようとする」脳の働き、その理想型がAIにより実現されようとしているならば、これからの人間の楽しみは、「人間(という概念)」に関する不確実性を最大化することーーこれこそが自由エネルギー原理の向かう先の一つではないかと思われる。
