暗号の子
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ずんだ文芸部@zunda_bookreview2026年6月17日読み終わったSFというジャンルは元々理系人間に刺さる特性があるけれど、本作は特に「技術」に振り切っていて、専門用語も躊躇なく多用されている。 加えて、テーマも最新の科学技術✖️社会問題あるいは哲学という感じで、まあまあ難解。 ただ、その分、すごく真理めいたものも感じて「何かすごいことを言っている気がする」と小学生みたいなことを読んでて思った。 本作は短編集なのですが、暗号の子という表題作に関連して、ブロックチェーン技術がテーマの作品が多かった。あとはAIに宇宙開発も。 ただでさえ、語られるテーマがそれなりに難解なうえ、登場する技術も工学系以外の人からすると難しそうなので、人を選ぶと言えばそうかもしれない… 掲載元がSF雑誌や技術雑誌の作品が多いのも起因しているのかな。 とはいえ、技術好きの理系人間からするとたまらないのは間違いないので、そういう人にはおすすめな一冊です!







roiban@roiban2026年4月28日読み終わった実在の情報技術を題材に採っているだけあって、書かれた時期に幅を感じさせる(と言っても古いもので2019年初出なあたり流れの速さも感じる)。ブロックチェーンやVRを共通にテーマにした作品がいくつか。「ローパス・フィルター」はSNS上での過激な言動を除去するプラグインが流行した結果、「不可視化された」人々の一部が精神的に追い詰められた事件の真相に迫るもの。アルゴリズムへの抵抗としてマジョリティがそれを選択することはないのでは、というのは2026年をカンニングしているからこそ言える。テクノロジーへの楽観という意味で通じる「ペイル・ブルー・ドット」は、一転して著者自身後書きで述懐するように爽やかで良かった。くたびれた管理職が小学生に触発されて宇宙への憧れを取り戻すまで。小型人工衛星設計の過程でArduinoやらローカルLLMやらの語が飛び出していて、読み応えがあって良い。初出が「トランジスタ技術」誌と聞いて納得。
ブックスエコーロケーション@books-echolocation2025年8月11日新刊入荷@ ブックスエコーロケーションブックスエコーロケーション、8月11日(月)オープンしております。19時まで。ご来店お待ちしております。 宮内悠介『暗号の子』文藝春秋 新しい暗号通貨、分断のないSNS、超小型人工衛星――テクノロジーによって人間性が剥奪されることがある。しかしそれでも技術を使うのはあくまで人間であり、人間性を、テクノロジーを取り戻すこともできるとそう思わせてくれる作品集。最近読んだなかでいちばんおもしろかったSF短編集です。 #宮内悠介 #暗号の子 #文藝春秋 #信州 #長野県松本市 #松本市 #本屋 #書店 #古本屋 #ブックスエコーロケーション
- のーとみ@notomi2025年3月5日読み終わった宮内悠介「暗号の子」読んだ。テクノロジーをテーマに、文芸誌からSF誌、トラ技まで、あちこちの媒体に書かれているので、それぞれの媒体の個性に合わせつつ、テクノロジーの現在と未来の中でウロウロする人々の物語が書かれる。そして、恐ろしいことに、収録作が全部、ものすごく面白い。 もう、冒頭に置かれた表題作「暗号の子」が凄い。作者本人もテクノロジーテーマの現時点での集大成を書こうとしたと言ってるように、現代のコンピュータ小説の最前線といった趣で、読んでいてずっと、ギブソンの「ニューロマンサー」から40年くらい経って、コンピューターの物語は、こんなところまで来てしまったのかと思っていた。サイバーパンクって、なんて牧歌的未来だったんだろうと思いつつも、しかし、こういう「サイバー・オルタナティヴ」とも言える物語が当たり前のように書かれて、しかしSFのビジュアル・イメージは、未だにサイバーパンク止まりだということ自体が、この「暗号の子」に書かれた世界の絶望かもとかも思う。よくまあ、これを短編で書いたなあ。ネタとしては上下巻1000ページクラスのアイディアだわ。さすがは「トランジスタ技術の圧縮」の作者であるw 他の収録作も、暗号通貨やNFT、ブロックチェーン技術などをネタに、ネットワークと個人についての物語が書かれていて、それぞれにヴィジョンが違ってて面白い。そこに、ほぼ全部をAIに書かせた「すべての記憶を燃やせ」の、AI詩の物語化の試みとか、実際に亡くなった伯父との記憶を、行かなかったネパール旅行の架空の紀行文に重ねた「行かなかった旅の記録」が挟まって、人とテクノロジーの関係を複層的に見ることも出来るようになってる。その上で、最後に置かれた「ペイル・ブルー・ドット」で、爽やかでさえある、宇宙への夢がアクチュアルに描かれる。ノン・シリーズ短編集として見事な構成。 これ読んでる間、オーディブルでは浦川通「AIは短歌をどう詠むか」を聴いていたのは偶然なのだけど、まるで相互補完してもらってるようで、結局のところ、今、デジタル・テクノロジーを考えるというのは、言葉について考えることなんだろうなとか思う。ともあれ、IT系ライターは、読んどくといいと思う。多分、藤井大洋「まるで渡り鳥のように」と並ぶ、サイバーパンクへのレクイエム。



















