回樹
16件の記録
🔖ぼう|読書記録@book_252026年2月4日読み終わっためちゃくちゃおもしろい!けれど、どこか寂しさを感じる作品。 人が死んだ後にその人に対する想いってどうやって変化していくのだろうって想像したことはあったけど、この『回樹』の設定は想像もしたことなかったし、何だか「死」という概念が薄れるような感じで少し気味が悪い。だけど、もし実在するものならば、愛する人が亡くなったときに私も縋り付いてしまうのだろうなと💭 6篇あるなかでも、「奈辺」がお気に入りのお話。 実際にあった、ある、白人と黒人で区別する人種差別という問題に緑色の肌をした宇宙人という人種(?)が登場するSF要素が加わることで、重くなりすぎずコミカルかつ胸にグッとくるお話に。 セリフに人種差別される側とする側の胸の内が表れていて、苦しくなりつつ、物語の結末としては明るい方向に向かったのでホッコリしました。 「奈辺」だけではなく、どのお話も実際に人々が抱く感情(人の死に対する感情、人やものに対する愛情)や起きている問題(墓地問題、人種差別問題など)がベースにあるから、SF作品集といってもどこか今日できる部分があって読みやすかったし、面白かったです!

- 村崎@mrskntk2023年3月27日「その愛は消去法」、この文章を読んだときびっくりた、卒倒するかと思った。それを言ってしまうんだ…という衝撃だった。なんて残酷な真理を暴いてしまえるんだろう…そう思いたくないけど消去法で人とつきあうってことはある。消去法の愛は、「本物の愛」には遠く及ばないし、そもそもそれって愛なのか? そんなふうに思考の迷路に迷い込ませる。そもそも「四十点」と初露のことを言ってしまう律の気持ちは……ああ……。 愛というのは、目にみえないから厄介だ。だから「愛」を証明できる回樹にすがりたくなる律の気持ちが、私にはすごくよくわかる。だけど目にみえないからこそ、陳腐な言葉だけど愛にはいろんなかたちがあって、目にみえないからこそ、信じたくなるもので、絡まりやすいものなのだと思う。回樹は解呪、死体が呑み込まれていくことで、とらわれていた呪いから解かれてゆく。だれかに抱く感情や抱かれる感情は、呪いになるんだなあと思う。 だれかとつきあっていくのは、きれいなことばかりじゃない。むしろ自分本意なことばかりで、価値観や考えを押し付け合って、愛どころか嫌いという感情すら芽生えることもある。相手が死んでしまったあとも、自分勝手な感情を抱いてしまったことは消せない。 でも初露の死体をかつぐ律の姿を想像すると、私はもうそのかたちが愛にしかみえない。いつか薄れていくものでも、消えるものでも、まったく違うかたちに姿を変えるものだとしても、それはもうふたりが築いてきたものだ。最初から最後まで濃厚な時間を過ごせる、「回樹」は本当に本当にいい作品です













