昭和喫茶のモーニング&ランチ 東京編 (タツミムック)

昭和喫茶のモーニング&ランチ 東京編 (タツミムック)
昭和喫茶のモーニング&ランチ 東京編 (タツミムック)
辰巳出版
2016年4月28日
1件の記録
  • 4分33秒
    4分33秒
    @433
    2026年2月25日
    落ち着きのない子どもだった私を、母は時折、近所の喫茶店へと連れ出した。 子どもの舌にはまだ苦いコーヒーの代わりに、白いクリームがたっぷりと乗ったココアを頼んでいたように思う。母のコーヒーと同じ、薄いふちのカップ。仄明るい蔵の中にいるような、ゆったりと静かな時間の流れをただ眺めていた。あのひとときが、私にとっての「喫茶店」の原風景となった。 今でも喫茶店のモーニングに足を運ぶ。 店の前の看板を眺め、数種類あるセットの中からひとつを選んで扉を開く。まだ客のまばらな店内に、常連の老人が入ってくると、注文せずとも新聞とお冷が運ばれる。奥からは食材を確認する店員のささやかな声が漏れ聞こえてる。トーストの焼ける香ばしい匂い。ブレンドコーヒーの心地よい苦み。 そういう気配を残す店たちがこの本には収められている。
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