泡

3件の記録
- noko@nokonoko2025年5月19日借りてきた心に残る一節列車が動き出してしばらくすると、それは間違いだとわかった。小さな換気用の窓から差してくる太陽の光の方向からすると、列車は東ではなく、北西に向かって進んでいた。走れば走るほど、それは動かしようのない事実になった。列車はソビエト国境を目指している。 集団に慣らされたほうが気持ちは楽だけど、集団はまちがえるから。しかも真面目で熱心なのがいると、もっとひどいことになる。(…)気をつけたほうがいいのは、自分がひとりだと感じたときかな。自分が追い詰められたとか、外されたとか、集団を恨む気持ちがふつふつとわいてきたら、無理してでも集団にとどまるか、もどるかしたほうがいい。そして面と向かって文句を言えばいいんだ。
- Suzuki@finto__2025年4月11日読み終わった★★★☆☆ 「沖合の船を見ていると、時間が流れることにおおきな意味はないと思えてくる。人間は流れる時間のなかで生きている。カレンダーをつくり時計をつくり、時間や歳月をはかっている。それは時間の影のようなもので、時間そのものではないと薫はおもう。見えるようで見えないもの、誰にも止められないものである時間が、このような光景としてあらわれている。それをことばにするなら美しいということではないか。」p173-74